ジェンダーを越えるニュアンスヘア。美容師とヘアスタイリストを横断するNu:v /Tacさんのスタイルと世界観
SNSは「マーケティング」と「ブランディング」で使い分ける

―ジェンダーレスなスタイルを発信することによって、どんな変化がありましたか?
それまではサロンワークの月売上が100万ぐらいだったのですが、ジェンダーレスなウルフをSNSで発信するようになってから、僕のつくる雰囲気が好きだと言って来てくださる男性のお客さまが増えました。今は月280万円くらいまで伸びています。自分がかっこいいと思っているスタイルを発信して、それを好きだと思ってくれる人が来てくれるのは、単純にすごく嬉しいですね。

―ジェンダーレスなウルフは、どのように広がっていったのでしょうか?
今回打ち出したジェンダーレスなウルフについては主にTikTokからの流入が集客につながりました。
もともとリファレンスとして海外のスタイルやイメージを集めるのが好きなんですが、その延長で、自分が作りたいウルフのイメージをまとめてTikTokに投稿したんです。その投稿がバズって、そこからInstagramを見にきてくれることで、集客につながりました。
今は「TikTokでマーケティング、Instagramでブランディング」という使い分けが、自分には合っていると思っています。
Instagramでマーケティング色を強く出しすぎると、自分がつくりたい世界観が崩れてしまう。だからこそ、入口と世界観を伝える場所を分けています。

―スタイルを広げるうえで、SNSはどのように活用していますか?
僕の場合、Instagramはヘアスタイリストとしての名刺でもあると思っているので、これまでの仕事や作品撮りの投稿はしていきたい。一方でサロンワーカーとして、この人に切ってもらいたいと思ってもらう必要もあります。モデルさんの写真ばかりだと一般のお客さまは予約しづらくなってしまいます。でもバックショットを並べたり、カウンセリング動画など集客に寄った投稿も自分のやりたいこととは違うんですよね。なので、ヘアスタイリストの仕事、作品撮り、お客さまのスタイルをバランスを見ながら載せるようにしています。
サロンワークも、ヘアメイクも、クリエイティブも。もっとやりたい仕事へ

―最後に、これからやっていきたいことを教えてください。
まだまだやりたい仕事はたくさんあります。日本のファッションの仕事ももっと増やしたいですし、韓国をはじめ海外の仕事にも、さらに挑戦していきたいです。
サロンワークでも、今の自分のブランディングやスタイルを見て「Tacさんにお願いしたい」と来てくれる人がもっと増えたらうれしいですね。
サロンワーク、ヘアメイク、そして自分で作品をつくるクリエイティブ。この3つはこれからも続けていきたいと思っています。それぞれの経験がまた別の仕事につながっていくと思うので、一つに絞るのではなく、全部を続けながら、もっと自分がやりたい仕事ができるようにしていきたいです。
プロフィール

Nu:v /スタイリスト
Tac
京都府出身。関西美容専門学校卒業後、上京。都内の有名サロン勤務や、フリーランスを経て、2023年にNu:vにオープニングスタッフとして参加。25歳頃からヘアスタイリストの活動を本格的にスタート。サロンワークと並行して、ファッション領域を中心に国内外でヘアスタイリストとして活躍する。性別を問わず似合わせるジェンダーレスなスタイルで人気を集めている。
Instagram:@tac_nuv
(文/池谷美歩 撮影/菊池麻美)