スタッフとの距離感は「木の上に立って見る」くらいがちょうどいい。 改善を繰り返してきた内部育成の方法とは? ―10年サロン「S.HAIR SALON」のブランディングストーリー後編

2014年〜現在 売上回復上昇期

経営者として1番のナイスジャッジ! 営業時間や休暇制度を見直したら…

 

 

スタッフの離職後はいろんな試行錯誤を繰り返した時期でもありました。その一つが、営業時間やスタッフの休暇制度です。

 

もともと営業時間は午後からだったんです。そうすると、午前中に撮影などの仕事ができるし、サーフィンもできるから(笑)。だけどお客さまの中には午前中にきたい人も多かったので、週に2日だけ12時からの営業にして、あとは10時からにしたんです。

 

お客さまの希望も叶えられたし、結果的にスタッフも柔軟に働けるようになりました。12時からの日は午前中に役所に行くこともできるし、10時からの日は19時には終わるから、友人と飲みに行くこともできる。僕の長年の経営の中でも、これはなかなかナイスなジャッジだったと思っています(笑)。お休みについてもスタッフが2連休や3連休も取れて、夏と冬には7〜8日の長期休暇が取れるようにしています。

 

美容師の中には休まずガンガン働くことを美学にしている人もいます。僕は、それはそれでいいと思うんです。ただ重要なのは、自分に向いたやり方を選べること。僕は休みの間にいろんなサービス業のお店を回って学習したり、旅行に行ったりして、たくさんインプットをしたいタイプ。だから、そういう働き方ができる仕組みを作っています。スタッフにも休むときにしっかり休んで、店では集中して働くことを意識してほしいと思っています。

 

小さな改善点を見つけ、少しずつ改善する。内部育成は試行錯誤の繰り返し

 

 

スタイリストがやめたあとの売上の落ち込みは、ちょうどアシスタントとして働いていた子たちが成長し、上が抜けたところをカバーしてくれました。彼ら自身、任される仕事や機会が増えたことでぐんぐん成長してくれて、売上の30パーセント減も順調に取り戻すことができました。

 

振り返ってみると「S.HAIR SALON」は、それほど大きな危機もなく、安定して経営できているのかなと思います。なので、ストーリーとしてはおもしろくないかもしれません(笑)。僕にあるのは、もっと先を目指し全力を尽くすという意味の「Go the Extra Mile」の精神。日々の中で小さな改善点を見つけて、ちょっとずつ前進しています。

 

例えば現在は半年に一回、スタッフと一対一での面談の場を設けています。定期的に行えば、小さな改善点を早いうちから見つけられますから。面談では、仕事の話をしてくれる人もいれば、最近できた彼氏彼女の話をする人もいてさまざま。スタッフの人間性を知る貴重な機会になっています。

 

 

> 今は“親”のようにスタッフを見守る。目指すのは、基本はブラさず、みんなで楽しく働けるサロン。

 

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