美容師×アパレル、二足の草鞋。茅ヶ崎の1席サロン『senn』オーナー・星真純が見つけた、心地よい働き方と暮らしの最適解

茅ヶ崎駅からほど近くに佇む、1席だけのマンツーマンサロン『senn(セン)』。モダンで温かみのある店内の一角には、サロンの世界観に溶け込むように、人気アパレルブランド「TODAYFUL」(Life’s)の洋服が並んでいます。オーナースタイリストの星真純(ほし・ますみ)さんは、美容師として独立した現在も、代官山でアパレル販売員として週に数日店頭に立つ“二足の草鞋”の持ち主です。大型店でのキャリア、副業という選択、そして茅ヶ崎での独立——。気負わず、自分の「好き」に正直に行動してきた結果、仕事と暮らしが心地よくつながるスタイルにたどり着いたといいます。独立から3年を迎えた星さんが語る、自分に合う働き方とライフバランスに迫ります。
7年前にスタートした、アパレルとの二足の草鞋生活

――まずは星さんのキャリアについて伺いたいのですが、新卒から大型店に9年間在籍されていたそうですね。ずっと茅ヶ崎ですか?
はい。私は福島の田舎で育ったので、いわゆる都会にあるような大型サロンの存在を、実はほとんど知らなかったんです。近所にあったのは自宅兼サロンや、オーナーがひとりでやっているマンツーマンの美容室ばかりで、美容学生になるまで「アシスタント」という立場があることすら知りませんでした(笑)。
そんな私が上京することになり、最初は正直「東京のサロンならどこでもいいかな」くらいの気持ちだったんです。でも実際に来てみると、街に人が多すぎて……。「あれ、私、東京で暮らせるかな?」と不安になってしまって。
そんなタイミングで、学校にリクルート担当の女性美容師さんが来てくれたんです。それが、湘南エリアに展開しているKENJEグループの方でした。その方がとにかく可愛くて(笑)、興味を持ってサロン見学に行ってみることにしたんです。
初めて湘南エリアを訪れたとき、自然があって空気もやわらかくて、どこか地元・福島と通じる雰囲気を感じました。「ここなら住めそうだな」と素直に思えたんですよね。寮も完備されていて福利厚生もしっかりしていたので、不安はかなり解消されました。そうして試験を受け、そのまま入社を決めました。

――入ってみて、実際にどうでした? カットに定評のあるサロンですし、カリキュラムもかなりしっかりしていたのでは。
結果、私の直感は間違いなかったと確信しました。技術レベルの高いサロンで、働いているスタイリストたちも実力者ばかりで。カット練習もたくさんしましたし、パーマやカラー、ヘッドスパに至るまで、多くの経験を積みました。着付けやヘアセットもできるようになったので、美容に関するメニューはほぼ一通り対応できます。
――入社時から、独立は目標にしていたんですか?
独立というよりは、地元で通っていたような昔ながらの一人サロンを、いつか持ちたいという気持ちはありました。新規がどんどん来るというより、長く通い続けてくれる常連のお客さまや近所の方が来るような、町のアットホームなパーマ屋さんみたいなイメージですね。

――そんな目標を持ちながらも、20代半ばからアパレルとの二足の草鞋が始まりました。それはなぜ?
きっかけは、手荒れです。疲れもあったのかもしれませんが、だんだんと全身に広がってしまって。水を使わない仕事がしたいな……と思うようになり、他業種の就職活動を始めました。でも、いわゆる一般職の仕事は向いていない気がして。そんなとき、好きなアパレルブランドがショップ店員を募集していたんです。思い切って受けてみたら、受かってしまって(笑)。その際、サロンは辞めるつもりだと話したところ、「アルバイトでもいいですよ」と言ってもらえて。サロンのオーナーからも「辞められたら困るから、短時間スタイリストにならない?」と声をかけてもらい、そこから週4日は美容師、週1〜2日はアパレル販売員という働き方を始めました。

>「まずは服を知ってもらいたい」アパレルとサロンをつなぐブランディング