【中国・深圳】夫婦で活躍! 井藤竜也さん、伊良波ひかるさん「ここには ”美容師ができる” 環境がある」

ネット規制をくぐり抜けて情報収集する中国人スタッフたち

 

 

先日、深圳を訪れた宮村浩気さんが社内セミナーを行い、これを受けたひかるさんは大いに勇気付けられたのだとか。

 

「日本にいた頃は宮村さんのセミナーやヘアショーに行ったことがなくて、深圳で初めてお会いしました。『わー!本物だ!』って思いましたよ(笑)。そのとき、宮村さんが『ただ目の前のお客さまを可愛くしたいという気持ちが強いほど、外からのプレッシャーに打ち勝てる』とおっしゃって、すごく腑に落ちたんです。食事にも一緒に行って、『唯一の日本人女性の美容師としてがんばって』と言っていただけました。宮村さんは中国人美容師の間でも、超がつくほどの有名人なんです。宮村さんが、日本の美容師の存在を高めてくれている。すごく心強いなと思いました」(ひかるさん)

 

宮村さんは、中国の全土を回って、常に新しい情報、新しい技術を提供している。だからこそ、セミナーやヘアショーの依頼が殺到するのだ。そのため、サロンにも「AFLOATで働いてキャリアに箔をつけたい」と中国全土から美容師たちがやってくるという。

 

「大抵は、地元のサロンである程度の経験を積んで、自信満々で乗り込んでくるんですね。面接時にモデルさんのデモストをしてもらうんですけど、基準に満たなくて『申し訳ないけど、アシスタントからやり直していただきます』と言うと、急に元気がなくなっちゃう。あまりに、技術の差がありすぎる!ってわかるんでしょうね。そこから気持ちを立て直してもらうのに苦労するほどです(笑)」(井藤さん)

 

「仕事に対しては、日本人よりも勉強熱心だと感じます。日本の情報は、常に最新のものを知ってますよ。こちらはネットの規制が厳しいんですが、それを乗り越えて、インスタグラムも毎日のように見ています。日本のトレンドとか、美容師の情報を仕入れるためです。よくスマホを持ってきて『この人を講師に呼んでくれ』と頼んできたりもします」(井藤さん)

 

 

施術中に出前も! カルチャーギャップも楽しい

 

「深圳の生活はすぐに慣れた」という二人。「慣れすぎて、日本での美容師生活はもうできないかも」とひかるさんは言います。

 

「基本的に、出勤時間は遅番が多く、正午12時から22時半まで。こちらのお客さまは夜遅くまで活動するので、22時からカット&カラーが入ることもあります。なかなかハードに聞こえると思いますが、勤務中のルールはあまり厳しくはないです。食事も、空いた時間に外に食べに行ったりもできます」(井藤さん)

「お客さまも自由ですよ。施術中にお腹が空いたら、すぐにアプリで出前を頼むんですよ。セット面まで届けさせて、バーンと広げて食べ始めます。あまりにためらいがないので最初は驚きましたが、今はもう驚かなくなりました(笑)。シャンプーの間も、スマホでビデオをみたりして、あまり『癒し』を求めていないですね。その代わり、ヘッドスパなどの手技的なメニューに関しては、効能についてすごく詳しく知りたがる傾向です」(ひかるさん)

 

 

さまざまなカルチャーギャップも、軽々と乗り越えているお2人。日系サロンとしての気負いを持ちつつマネジメントしている井藤さんは、現地スタッフとの折り合いはどのようにつけているのでしょうか。

 

「日系サロンとしてやっていますが、全てを日本流にやればいいというわけではないんですよね。お客さまが求めているものが違うわけですし。その中で、『これは』と思うポイントは譲らない、というスタンスで運営をしています。サロンの中に日本人は少数だから、たまに厳しい要求を言うと『井藤先生は日本人だから』と言って片付けられるときもあるんですよ。でも、それを言ったら終わりじゃん!って心に秘めながら、スタッフと向き合ってやっています」

 

プロフィール
井藤竜也さん

東京・表参道のサロンで働いた後、フリーランス美容師を経て中国・深圳へ。2014年より、AFLOAT shenzhen の立ち上げメンバーとして勤務。サロンのマネジメント、スタッフ教育に携わる。現在、店長。
プロフィール
伊良波ひかるさん

沖縄県出身。東京・表参道、銀座のサロンで働いた後、2016年先輩だった井藤竜也さんと結婚。井藤さんが活躍する中国・深圳へ移住。深圳で唯一の日本人女性美容師として活躍中。東京時代から力を入れてきたブログスキルを発揮し、現地に住む日本人への認知度を上げているという。

「 AFLOAT SHENZHEN☆伊良波ひかるの美容師blog」 https://ameblo.jp/afloat-irahahikaru/

 

(取材・文・撮影/QJnaviDAILY編集部)

 

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