fifth新ブランド『soigne』代表・龍正也。ABBEYで16年。愛した場所を離れて選んだ、友情と挑戦の決断
新ブランド『soigne』へ込める想い

――どんな形でfifthに加わりたいと考えていたんですか? レディースブランドを成長させたい、という構想があったのでしょうか。
いえ、具体的なイメージはまったくなくて、とにかく「次の美容師人生は、木村と一緒に働いてみたい」という気持ちが強かったです。美容師の働き方が多様化していく中で、木村は「人が辞めない組織づくり」に本気で取り組んでいます。美容師がサロンワークに集中できるよう、バックオフィスやマーケティング部署を整えたり、オンラインサロンを立ち上げたりと、人件費にも積極的に投資していて。理想を着実に形にしていく姿を見て、本当にすごいなと感じていました。今は、必ず結果を出して期待に応えたい。そんな気持ちいっぱいです。

――友達と一緒に仕事することへの抵抗感はありませんでしたか?
ABBEY時代にも専門学校の同級生2人と一緒に働いていたので、友達と仕事をすること自体は経験済みでした。木村自身もfifthで元同級生と働いています。友達ですが、プロとしての関係性ができているので、抵抗はなかったですね。それぞれ積んできたキャリアへのリスペクトもありますし、僕自身は経営に関してはまだまだ勉強中。美容師として技術を追求するスタンスは変わらないので、そこに木村の経営的視点が加わったらどうなるんだろう、というワクワクのほうが大きかったです。

――新ブランド『soigne』は、どんなイメージで立ち上げましたか?
soigneはフランス語で、「きちんと整えられた」「大切に扱う」「上品で抜かりない」といった意味があります。SNS全盛期ではありますが、美容師の本質は「技術」と「人間力」を高め、自分自身をブランド化し、お客さまにしっかり認めてもらうことだと思っています。soigneはfifthグループの中でも高単価サロンになるので、技術練習はもちろん、美容師としてのあり方の指導も徹底して行っていくつもりです。

前職では、コロナ禍で予約管理を徹底したことで、お客さまを待たせることがほとんどなくなり、満足度が上がった結果、売上が伸びました。そこで「きちんとやるべきことをやり、質の高いサービスを提供すれば価格以上の価値は伝わる」と確信したんです。満足度が高ければお客さまは通い続けてくれる。だからこそ、満足度を追求していくサロンを運営していきたいですね。