“わざわざ店”で明るく楽しく“心”を作っています

 

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日本のみならず海外でも高い評価を受ける女流美容家の谷口愛子(たにぐちあいこ)さん。ながきに渡り美容業界を見つめてきた谷口さんに、これからを担う女性美容師さんたちへの応援メッセージを語っていただきました。

 


 

「小さな船と大きな船、あなたはどっちを選んだの?」

 

私の美容の原点は、“中原淳一の絵”です。彼が描いた素晴らしく美しい女性たちに惹かれて、自らの手で美を作る仕事に進むと決めました。それから何十年経った今も、本屋さんで中原淳一の絵に会うと足が止まります。その都度、新しい何かを私にあたえてくれるのです。その「ときめき」のために、あえて手元に中原淳一の本は置いてありません。

 

美容師なると決めたとき、父からこんなことを言われました。「小さな船でさざ波を航海するか、大きな船で大海原を航海するか考えなさい」と。大きな船の前には、大波や岩が立ちはだかることもあります。でも、私は大きな船でそれを乗り越えて、灯台を目指したいと思いました。

 

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ところが、いざ美容の世界に入ると、経験したことのないできごとがいっぺんにやってきたのです。辛くて泣きながら家に帰ったこともありました。そのとき母は玄関の戸をビシッと閉めたまま、こう言ったんです。「何しにきたの? あなたは、小さな船と大きな船のどちらの船を選んだのだっけ? 辞めるなら家に入りなさい。違うなら店に戻りなさい」。

 

そのときは「ひどい母親…」と思ってお店に戻りましたが、休日に家に帰ったときは「今晩、何を食べたい?」と優しい声をかけてくれました。「あたたかい真っ白なごはんが食べたい」というと、母は大きな声で泣きながらしっかりと私の体を抱きしめてくれたのです。あのときの温もり、今も覚えています。

 

>私がド派手な洋服を着ているわけ

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