10代で家を飛び出した少女が、美容企業のCOOになるまで

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美容室「Ange」をはじめとする美容関連サービスを展開する株式会社トシックスホールディングス。30代の若さでCOO(最高執行責任者)をつとめるのが、登坂さおり(とさかさおり)さんです。意外にも彼女は、「アシスタント時代は仕事の覚えが悪く、不器用で…謙遜ではなく、本当に落ちこぼれだった」とのこと。「伸び悩み」を感じている女性美容師さんに、ぜひ読んでいただきたいインタビューです。

 


 

フリーランス美容師から20店舗を統括する副社長へ

 

もともと私は忙しい夫を支えるために、比較的自由に時間を使えるフリーランスで美容師をしていました。会社に対して「自分だったらこうするのに…」と思うことがたくさんありましたが、フリーランスは一人ですから、できることは限られています。悶々としていたのですが、会社に想いを伝えると「じゃあ登坂さんにサロンのことをまかせるよ」という話になったんです。ちょうど、夫の仕事が落ち着きつつあったので引き受けることにしました。

 

私がやりたかったのは、女性美容師だけで構成されていて、オーガニック素材に徹底的にこだわっている「女性による女性のためのサロン」。絶対にヒットする…そんな確信のもと、2011年に新店を出したら、一気に繁盛店になりました。信頼して全て任せてくれた器の大きな代表には、感謝の気持ちしかありません。

 

でも、女性美容師は、結婚して、出産して離れていく人も少なくありません。小さな子供がいるスタッフは育児との両立が大変。保育園に入るのも難しいし、無認可保育園は保育料も高い…それをなんとかしたくて、実績に応じて、保育料の最大50%を負担する仕組みもつくってもらいました。

 

今は少なくなりましたが、フルタイムで働けなくなったママ美容師さんに「週1回、月2回でもいいから手伝って」といってLINEグループに入ってもらっています。名付けて「ママLINE」です。スタッフの子供が熱を出したときなど、いざというとき、彼女たちが助けてくれることもあるんですよ。最近はママ美容師のための情報まとめサイト「ママさん美容師ドットコム」にも関わらせていただいています。

 

サロンに新しい目玉をつくるために「整頭術」というスパメニューも導入しました。考案者の方が亡くなってしまったこともあり、今は私がその会長として普及に務めているんです。こんな感じで、自分がいいと思ったものをどんどんサロンに取り入れた結果、お客さまにも受け入れていただくことができました。今とても忙しいですが、幸せを感じています。

 

仕事の覚えが悪く不器用…毎日のように悔し泣き

 

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今でこそ会社で役員をしていますが、私は昔、落ちこぼれだったんです。これは謙遜なんかじゃなく、本当にダメで…。

 

家庭の問題があって、10代で家を飛び出した私は、新聞配達にはじまり、飲食店やリゾートバイトなど本当にいろんな仕事をしてきました。バイト中心の堕落した生活を続けて、美容師になったのは22歳。アシスタント時代は人が1カ月で身につけることを3カ月経っても身につけられないくらいのダメさでした。仕事の覚えが悪いし、ぶきっちょで、できなくて、毎日悔しくて泣いていました。

 

でも、今思うとそれがよかったんです。できないなら、できるまでやればいい。そう思って人の3倍は努力しました。先輩にただ「やって」と命令されてやることは苦手でしたが、「こういうヘアスタイルをつくりたいから〇〇して」など、‟何のためにやるのか“を教えてもらえればできることにも気づきました。つまり、私は「そういうことなんだ」って腹オチしないままやろうとしていたから失敗していたんです。人より遠回りした分、技術や接客を深く理解できたと思います

 

尊敬する先輩の影響も大きいです。夫とは美容師をはじめる前に出会ったのですが、当時のオーナーから交際を反対されていました。そのサロンには表参道で働いていた女性美容師の先輩がいたのですが、「自分が幸せじゃないと、お客さまを幸せにできない。だから別れなくていいと思うよ」とアドバイスしてくれたんです。彼女の言葉は、今も私の心の中で生きています。

 

>目の前のお客さまを喜ばせたい

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