30年間指名の絶えない美容師・山田千恵さんの、仕事を楽しむテクニック

2019.01.16

仕事は楽しみながらやると、やる気がわいてくる!

 

 

撮影の仕事は、とくに20代、30代のころは、ヘアスタイルだけではなく、撮影方法や、撮影後の写真の加工方法など、いろいろアイデアを出してやっていましたね。今のようにデジタルで簡単に加工できる時代ではなかったので、フィルムでいかに1つの絵を表現するかを模索するんです。ポラロイドで撮ってもらって、できあがったプリントにペイントを施したり、背景を紙でつくったり、鳥を上からテグスでぶら下げたり、大きなシャボン玉をつくってモデルさんにその中に入ってもらったり…実験的なことをたくさんしました。

 

私の仕事のやり方は、「楽しみながら」がモットーです。みんな「忙しい、忙しい」と言いながら仕事をしているけれど、仕事の中のちょっとしたことや、ほんの少しの空き時間にも、楽しめる自分をつくるといいのではないかな、と思います。

 

「大変だ、大変だ」と口でいくら言っても現状は何も変わらないから、それを「楽しい、楽しい」に変えられるように頭をうまく切り替えていくこと。それができると、きっと今より数倍、仕事の飲み込みがよくなり、仕事への意欲もわいてくるのではないでしょうか。

 

「学び方」も枠にはまっていたら、つまらない

 

八木岡さんの誕生日のために描いた絵。

 

「仕事は楽しみながら」と言うと、「でも、それって具体的にはどうすればいいんですか」とよく聞かれるけれど、目の前のものをよく見てみれば、楽しめるできごとは自然と見えてくるはず。見えてこないのは、たぶん、まだ見足りないから。探しているものは目の前にあるのに、まだ見つけていないだけだと思います。

 

今、仕事も最低限のことしかやらない人が多いけれど、一見余計かな、と思えるようなこともやったほうがいい。プライベートでもそう。たとえば私の場合は、時間があれば、絵を描いたり、粘土で形をつくったりしています。なんでも型通りじゃなくて、そこからちょっと外れて、自分なりに遊んだり、工夫したりすることです。なんでも「〜しなければ」では息が詰まってしまうから…。

 

マニュアルを無視しろ、といっているわけではなく、ちょっと視点をずらしてみるだけで、世界が違って見えてくることがあります。生活の中にそういうアイデアがあったほうが、数倍楽しい人生を送れるんじゃないかな(笑)。どんな仕事でもそうだと思います。「やらなきゃ」じゃなくて、どうせやるなら、「じゃあ、こうしてみようか」とか「こうやったら、もっとおもしろいんじゃない?」と語りかけるもう一人の自分がいて…ゲーム的に楽しまないとね。

 

若い人と過ごす時間をもっとつくりたい!

 

 

今後の私の目標は、若い人たちを育てる時間を、もっとつくること。コンテストの審査員をするなど、サロンの枠を超えた美容師の育成活動も増やしていますが、もっと「DaB」のスタッフ一人ひとりと話をする時間をもちたいなと思って。何人か集まって、というより、一対一でじっくりと話せる時間をつくれるといいですね。

 

私も若いときは先輩にごはんに連れていってもらいながら、みんなの前では話せないことなど、こっそりよく話していました。そうした上の人と過ごす時間のなかで刺激を受け、視野が広がっていき、人間力を高めていけるのだと思っています。

 

♦♦♦応援メッセージ♦♦♦

 

 

「どうしたらもっとお客さまが増えますか?」とよく聞かれますが、やはり、「自分らしく元気に仕事をすること」が一番。

 

「元気に」といっても、元気は勝手にできるものではありません。それをつくるには、仕事やプライベートでもおもしろいと思えるものを見つけ、心に余裕をつくるといいと思います。

 

硬くなりすぎないで、力の抜きどころを知って柔軟になること。少し遠回りしてでもいいから、楽しみながら働き続けられるスタイルを、自分なりに見つけていくことが大切なのではないでしょうか。

 

プロフィール
DaB クリエイティブディレクター
山田千恵(やまだ ちえ)

神奈川県出身。住田美容専門学校卒業後、SHIMAに就職。1995年、「DaB」オープニングメンバーとして参加。サロンワークでは中心的なデザイナーとして、また雑誌・広告、業界誌などでヘアメイクとしても活躍。オリジナリティのある作品に定評があり、さまざまなジャンルのアーティストのヘアを手がける。近年はコンテストに審査員として参加し、美容師・美容学生の技術向上に力を入れている。著書に『TOUCH』(髪書房)がある。

 

(取材・文/揚石圭子 撮影/泉山美代子)

 

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