30年間指名の絶えない美容師・山田千恵さんの、仕事を楽しむテクニック

2019.01.16

 

80年代からヘアデザイナーとして、第一線でトレンドを発信し続けている山田千恵さんは、指名の絶えない超人気美容師。山田さんがイラストを手がけた著書『TOUCH』は、多くの美容師さんのバイブル的な本にもなっています。今回は山田さんに、これまで美容師として歩んでこられた道のりや、仕事を楽しく続けていくためのコツなどをおうかがいしました。

 


 

絵を描くのが好きで美容師になった

 

 

子どものころから、絵を描くことや、粘土などで形をつくることが大好きでした。からだを動かすのも得意で、美術と体育の成績だけはよかった。それをやるために学校に行っていたようなもので(笑)。何かをゼロからつくるのがとにかく好きで、人からの評価は気にならなかったですね。

 

高校生で美術の先生に進路を相談したら、「美術で食べていくのは大変だから、美容師はどう?」と提案してくれました。私も、「そういう手があったか」と思って。思い返してみれば、よく友だちの髪の毛をいじったり、妹にメイクをして遊んだりしていて、人をかわいくすること、人をデザインすることに興味があったので、いいかもと思いました。

 

高校卒業後、渋谷にある美容専門学校に通いはじめましたが、厳しい学校で1分でも遅刻したら、中に入れてもらえない。だからわざと遅刻して、みんなで遊びに行ったこともありました(笑)。でも、髪型をデザインするのが好きだから、授業はやはり楽しくて、学校は好きでした。当時は日本髪の結い方も教えてもらえる授業もあったり、おもしろかったですよ。

 

苦手なことを、いかに楽しく克服するか

 

 

専門学校を卒業すると同時に、SHIMAに入社しました。アシスタント時代は勉強会や練習が多くて大変でした。SHIMAでは、オールパーパス、ワンレングスもカリボブも、すべてモデルでチェック。教育に力を入れていました。

 

私はサロンでする自主練がどうしても好きになれなくて、どうしたら自主練せず、効率よくうまくなれるかばかり考えていました。たとえばワインディングブローは、通勤時間を利用して電車の中で練習したこともありました。腕にワインディングペーパーを固定して、ロッドを巻いて、ゴムで留める練習をするのですが、手が滑ってロッドが電車の中をコンコンコーンって転がっていったり(笑)。ワインディングのスピードアップのためにはゴムを指にかけて作業しますが、その扱いがうまくいかないので、ゴム3本を指にひっかけたまま家に帰っていたこともありました。お風呂に入るときも、ごはんを食べるときもつけっぱなし。からだに覚えさせようと思ったんですね。あと、オールパーパスも下のほうがうまく巻けないから、下だけ集中して練習するとか。

 

苦手なところを、自分なりに克服していける方法はないかな、と常に考えて、他の人とは違う動きをしていました。私は、枠にはまったやり方を強制されると嫌になってしまうので、そうならないよう、楽しく練習を続けられるように、工夫していたんです。

 

人見知りでも、髪を介してコミュニケーションが楽しめる

 

 

接客が好きで美容師になる人もいますが、私が美容師になったのは、「形をつくること」に興味があったから。カットするとき、まずお客さまの話を聞いてから、デザインを決める人も多いと思いますが、私の場合は、まずお客さまを見ると、デザインが3パターンくらい、パッと思い浮かぶんです。その人のライフスタイルなんかを瞬時に想像して。そして思い浮かんだデザインをもとに、お客さまと相談していきます。

 

私はすごく人見知りで、強く主張したり、自分から人に話しかけたりするのが苦手なのですが、髪を通じてお客さまと向き合えば、自然に言葉が出てきます。仕事をしていくなかで、「髪を介すれば、人とのコミュニケーションを楽しめるんだ」ということを知りました。

 

>マニュアルに捉われず、自分のスタイルをつくる大切さ

 

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