時短営業で売上&笑顔増!つくば発の「働き方改革」

 

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「美容師が売上をあげるためには長時間労働は避けられない」と思っていませんか? 茨城県つくば市にあるジールサロンは、月曜日、火曜日連休、土日17時最終受付という具合に営業時間を短縮しました。「なぜ営業時間を短縮したのか」そして、「その結果サロンはどうなったのか」を、ジールサロン代表の宮本 勝芳(みやもとかつよし)さんと、店長の藤田 和彦(ふじたかずひこ)さんに質問をぶつけました。働き方を見直したい美容師さん必見です。

 


営業時間を短縮しても売上は減らなかった

 

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ジールサロンは茨城県内で率先して「美容師の働き方改革」をしていると聞きました。スタッフのみなさんは今、どんな働き方をしているのでしょうか?

 

宮本さん:原則的に月曜日と火曜日がお休みで、土日祝は17時が最終受付です。(平日は10:00~20:00、土日祝は9:00~18:00) もともとは、火曜日定休で、第一、第三月曜日が休みで、その次に、月6日休日で火曜日+シフトなどにしていたのですが、どちらも個人的にしっくりきていなかったんです。とくにシフトの場合、スタッフが全員揃わないから情報共有もしにくい。それならいっそ、月曜日も休みにしてみようと思ったのです。

 

土日祝日の営業時間を短縮したのは、土日祝日にお客さまが集中することが減ったため。ありがたいことに、平日もまんべんなくお客さまにきていただいているので、土日祝に無理をする必要がないのです。平日は仕事終わりのお客さまのために営業時間は短縮できないですが、土日祝は営業時間を短くしても、お客さまに合わせていただけますよね。そのため、カットの受付は17時に設定しました。

 

正直、最初は怖かったですよ。休みを増やして、営業時間を短縮して、稼働時間が削られるわけですから。売上は下がる覚悟もしていました。でも、ふたを開けてみたら、売上はむしろ増えていたんです。

 

―ということは、時間あたりの売上があがったということですか?

 

宮本さん:そういうことです。僕は独立前のサロンでつくば界隈では売り上げていたほうなのですが、15分単位で予約を詰めていて、いつもお客さまに謝ってばかりだったんです。「お待たせしてすみません」と。でも、それが売れている美容師の宿命だと勘違いしているフシがあった。

 

夜にはお客さまに迷惑をかけたことを反省するんです。「なんでこんな仕事を選んだんだ」と自分を責めることもありました。つまり、予約の入れ方もメンタル面もぐちゃぐちゃだったわけです。それが、自分サロンで休みを増やしたり、働く時間を調整することで随分と変わった。お客さまに心から尽くせるし、自分の体の負担も減り、モチベーションがあがった。僕個人の場合はそれが大きかったと思います。

 

タイムプレッシャーが仕事の質を高める

 

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藤田さん:営業時間が減ることで、限られた時間でいかに成果を出すのかを真剣に考えるようになりました。僕の場合、その一つの答えは、単価をあげること。お客さまが何を求めているのかをキャッチするために全身全霊を傾けるようになったし、提案の仕方も変わりました。

 

具体的には、「これどうですか?」というプッシュ型の提案ではなく、お客さまが自分から「トリートメントも必要かしら」「矯正したほうがいいですか?」など必要性を感じて、僕に相談してくれる方向にもっていく。髪の疑問に即座に答えるとか、似合う、似合わないをハッキリ伝えるとか、プロとしての態度を貫く。そうやってお客さまと信頼関係を築くことで、単価もあがりました。以前は8000円程度だった単価が、営業時間が短くなってから1万円くらいになったんです。

 

―時間が減った影響で入客数は減らなかったのですか?

 

藤田さん:僕の場合は入客数も増えているくらいです。カット、カラー、パーマなどすべての技術をイチから見直して、クオリティを落とさずに時間を短縮する方法を考えました。たとえば、カットの場合、「一発で決める」という気迫をもって切る。そして、カットが終えたらすぐに次に移る。カットに時間をかけるのって自分に自信がないからだと思うんですよ。カットに時間がかかる原因は「切り直し」です。僕はいかに手数を少なく切るかを考え、より効率のいい切り方を模索してきました。今ではカットにかかる時間は10分~15分程です。

 

カラーについては薬剤が進化したこともあり早く染められるようになりましたよね。ワンタッチでもツータッチとクオリティが変わらないのなら、ワンタッチのほうが、工数が少ない。お客さんも拘束時間が短い方がいいにきまっている。こんな感じで、仕事の効率化の工夫はいたるところにあるし、スタッフ同士でも共有しています。

 

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