「美容師しかやってこなかった」を、強みに変える。iiiで広がる美容師の次のキャリア

美容師になったからといって、ずっとサロンに立ち続けなければいけない? 将来は、どう働いていくべき? そんな問いに、ひとつの答えを示しているのがiii(スリー)です。
教育支援や企業コンサルティング、美容師を起点としたPRなど、美容業界のさまざまな課題に向き合う事業を展開しています。代表の寺村優太(てらむらゆうた)さんが目指しているのは、業界をより良くすること、そして現場に立つ美容師の可能性をもっと広げることです。
では、iiiでは具体的にどんな仕事をしているのか。そして、これからどんな人と一緒に働きたいと考えているのか。寺村さんに、iiiの事業や仕事への考え方、求める人物像について聞きました。また、実際に働くスタッフは、美容師としての経験を活かして活躍する人から、異業種から新たに加わった人までさまざま。それぞれのキャリアや働き方とともに、iiiで働く人たちの姿も合わせてご紹介します!
美容師が持っている可能性を、より広げる
―まず、iiiはどんなことをしている会社なんですか?

大きく分けると、事業は3つあります。ひとつ目が、美容業界に特化した教育支援。ふたつ目が、企業のコンサルティング。そしてもうひとつが、美容師の発信力や影響力を活かしたPR事業です。
教育支援では、VRなどのテクノロジーを活用しています。ただ、もともとVRをやりたかったわけではありません。美容業界には、教える側の負担が大きく、教わる側も営業時間外に大幅に練習時間を確保しなければならないという、教育にまつわる課題があります。そこをどう解決できるかと考える中でVRに出会い、2016年から開発を始めました。
コンサルティングでは、美容企業を中心に、事業やサービスについての相談を受けています。実際に施策を動かすのは現場の人たちだからこそ、現場を理解したうえで、どうすればより良い形にできるのかを一緒に考える。僕自身が美容師として現場に立ってきた経験も活かしながら、企画や戦略の部分からサポートしています。
そしてもうひとつが、美容師の能力や発信力をサロンワーク以外でも活かすPR事業です。僕自身、SNSで商品を紹介したことをきっかけに企業から仕事を依頼されるようになり、「美容師は、サロンワーク以外でも価値を生み出せる」と実感したことがあって。そこで、企業の商品開発やPRなどに美容師の力を掛け合わせる事業をスタートしました。単に美容師を企業に紹介するのではなく、僕たちが間に入ることで、企業と美容師、それぞれの強みを活かした企画をつくっています。声をかける美容師さんも、人数を集めることより、その仕事や商品に本当に合う人を選ぶことを大切にしています。
3つの事業に共通しているのは、美容業界の課題を解決しながら、美容師が持っている能力をサロンワーク以外にも広げていくこと。そこがiiiの大きな軸です。iiiで働くスタッフは、これらの事業にまつわる営業やサイト構築、SNS発信など多岐に渡る業務に携わってもらっています。
求めるのはスキルよりも人柄。会社への共感
―では、iiiではどんな人と一緒に働きたいと考えていますか?
iiiには、5つの行動指針があります。この想いに共感してくださる方であれば嬉しいですね。

一つ目は、「仕事に情熱を注ごう」。スキルや経験よりも、まずはスリーが目指していることに共感し、「ここで頑張りたい」と思えることを大切にしています。
二つ目は、「社員が公私ともに幸福でいられる職場環境」。仕事に情熱を注ぐといっても、ピリピリしながら働き続けるということではありません。人生は長距離走なので、無理をしていたら続かない。僕自身、美容師として疲弊して、体を壊してしまう人をたくさん見てきたので、長く働くためには、みんなでいい環境をつくっていくことが大事だと思っています。会社や上司が環境を整えてくれるのを待つのではなく、一人ひとりが「どうしたらみんなが気持ちよく働けるか」を考える。そういう意味で、ウェルビーイングも自分たちでつくっていくものだと考えています。
三つ目は、「常識を疑い、変化を恐れず、新しいことに挑もう」。僕たちはイノベーションを仕事にしている会社なので、仕事のやり方についても「昔からこうやってるから」と決めつけないことが大切です。AIなど、これまで人がやっていたことを自動化できるものもどんどん出てきています。新しいものを取り入れながら、「もっと良いやり方はないか」と常に考えてほしいと思っています。
四つ目は、「より良い未来を作るために考え抜こう」。ここでいう「考える」は、誰かがふわっと言っていたことや、ネットに書いてあることをそのまま自分の答えにすることではありません。まずは一次情報を取りに行く。例えば実際に学生や美容師に話を聞いたのか、自分で確かめたのか。そこから自分なりに考えていくことを大切にしています。
最後が、「チャレンジした人の失敗を責めない、称えよう」です。もちろん、何でも好き勝手にやっていいということではありません。きちんと考え抜いて取り組んだうえで、それでも失敗したのであれば、その経験には価値がある。だから、ミスが起きたときに怒るのではなく、「新しい経験をさせてもらった」と考えたいんです。」
―5つの行動指針を見ると、スキルよりも人柄や考え方を重視しているようにも感じます。

そうですね。正直、スキルは教えられると思っています。僕は美容師をやってきたからこそ、余計にそれを実感しているところがあって。美容学生の頃はワインディングが全然できなくても、練習すればできるようになる。美容師になってからだって、最初はシャンプーでお客さまをびしょびしょにしてしまうことがあっても(笑)、経験を重ねれば、ちゃんとできるようになりますよね。もちろん、スキルがあれば即戦力にはなります。でも、それだけで人を選ぶと、もっと給料がいい、もっと条件がいいというところが出てきたときに、離職につながりやすいと思うんです。
だから僕たちが大事にしているのは、「iiiがやっていることを、どこまで自分ごととして考えられるか」。iiiの考え方や、目指している未来に共感して、「自分もそこに関わりたい」「そのために頑張りたい」と思えるかどうか。そこはスキルのように後から教えることができません。
そしてiiiでは、入社したときのスキルや肩書きが、その人のキャリアを決めるとは考えていません。最初は未経験の仕事でも、挑戦し、学び、できることが増えていけば、プロジェクトを任されたり、チームや事業を動かす立場になることもできます。実際に今のiiiでも、それぞれのメンバーが自分の得意なことや経験を活かしながら、マネージャーやプロジェクトリーダーとして仕事を動かしています。
今のiiiは、会社の環境もかなり良くなってきました。だからこそ、そこに入る人にも、今ある文化を一緒につくっていく気持ちを持っていてほしい。好き嫌いで人を選んでいるわけではなく、iiiが大切にしている考え方に共感してくれる人と、一緒に働きたいと思っています。
美容師を続けてきたからこそ、次のステージへ進める
―ちなみに、美容師としてのキャリアや経験が活かされる場面はありますか?
もちろん活かせると思います。僕は美容師を続けてきたというだけですごいことだと思っていて。美容師って、決して楽な仕事ではないですよね。むしろ大変なことのほうが多い仕事です。それでも続けてきたということは、それだけ仕事が好きだったり、やりがいを感じていたり、努力してきたということだと思うんです。着実に重ねてきた経験があるからこそ、仕事に対する熱量や粘り強さを持っている人が多いと感じます。
「美容師しかやったことがないから、PCも触れないし大丈夫かな」と言う人もいますが、それって、美容学生が「私、シャンプーできないんですけど大丈夫ですか?」と言っているのと同じなんですよ(笑)。最初はできなくて当たり前。必要なら覚えていけばいいだけの話です。

一方で、仕事に対する気持ちや、これまで何かを頑張ってきた経験は、後から簡単につくれるものではありません。そういう意味では、美容師を続けてきたこと自体が、その人の大きな強みだと思っています。特に今はAIの時代です。テキストのメッセージを見ても、人間が書いたのかAIが書いたのかわからなくなってきているし、画像も動画も、AIを使えばかなりのものがつくれるようになってきた。これから、アウトプットされるものはどんどん平均化されていくと思うんです。だからこそ、リアルに会ったときに「この人、好きだな」「この人と一緒に働きたいな」と思ってもらえることが、より大事になる。美容師は、お客さまと毎日リアルに向き合いながら、相手との距離感やコミュニケーションを考えて仕事をしている人たちです。そういう力を持った人が、今の時代に必要な新しいスキルを身につけたら、すごく強いと思っています。
―実際に、iiiには美容師からセカンドキャリアとして入社する人もいるのでしょうか?
はい。そして僕は、それをもっと当たり前にしていきたいと思っています。美容師を辞めて、メーカーやディーラーなどに転職したりすると、「美容師をあきらめた人」という見られ方をすることが、これまではあったと思うんです。でも、僕はそうじゃないと思う。
美容師を一生懸命やってきたからこそ、次のキャリアに進む。これまでの経験や、人と向き合う力を別の場所でも活かしながら、さらにできることを増やしていく。それは「挫折」ではなく、キャリアアップのひとつですよね。
iiiとしても、美容師のセカンドキャリアの選択肢として、もっと認知されるようになっていきたいと考えています。美容師を辞めることをネガティブに捉えるのではなく、「美容師をやってきたからこそ、次のキャリアに進めた」と思ってもらえるような流れをつくりたい。一生懸命美容師をやってきた人だからこそ、その経験を次のステージにつなげてほしいと思っています。
>美容師の経験も、異業種で培った経験も。iiiで広がるキャリア
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