1年目で店販75万!! 元天才美容学生と美髪アドバイザーの師弟関係にみる「美容師のこれから」

木村さんの「タオル綺麗に畳みたい派」というつぶやきに共感の嵐

 

 

―少し話をうかがっただけで、木村さんの成長ぶりが感じられます。寺村さんは、木村さんに対してどんな期待をもって教育しているのですか?

 

寺村さん:僕は木村くんが天才美容学生を名乗っていた頃から知っていて、根拠のない自信を持っている子だなと思っていたんです。自信があるのはポジティブでいいと思うんですが、中身がないまま成長する懸念があると感じたんですよね。だから、着実に成功体験を積み重ねてほしいと考えて、ドライを任せたり、難しいカラーを流してもらったりなど、早い段階から極力仕事を任せることにしました。もちろん、失敗しても僕がフォローできる範囲で。でも木村くんもプライドがあるから、何か言われたとき、「いや、自分はこうしたいので…」と素直に受け取ってくれないこともありました。木村くんも今はずいぶん変わったよね。

 

木村さん:学生時代はとにかく目立たなきゃと思って、生意気な部分もあったと思います。でも、寺村さんや、その知り合いのかたたちとお会いして、成功している人ほど“謙虚”だと知ったんです。だから、背伸びしたり、肩ひじ張ったりする必要はないんだとわかりました。

 

寺村さん:自己顕示欲よりも、貢献欲求が上回るようになったよね。そして、いつも目の前の仕事を120%でやってくれて、周囲からの信頼を積み重ねることができるようになった。タオル畳みも全力だよね。あんなにきれいにタオルを畳む人を見たことなかったもん。

 

 

木村さん:後輩の子に「木村さん、タオル畳み好きなんですか?」って聞かれたんですよ。僕は、「タオル畳みからもいろいろ拾えるものがあるよ」って答えたんです。いい機会だと思ったので、「タオル綺麗に畳みたい派」っていうつぶやきを添えて写真をアップしたらかなり反響がありました。僕は、なんでもやるからにはクオリティにこだわりたいし、細かいところまで考えてやることで、「気づく力」が養えると思っています。たとえば、お客さまのちょっとしたしぐさを見て、「寒いのかな」とか細かい変化を感じることができるようになるんですよ。細部に命を込めることで気づける力が磨けると確信しているので、これからも続けていきたいです。

 

美容師が、美容の技術だけで競う時代はいつか終わる

 

 

―肝心の美容の技術はどんなふうに教えていくのですか?

 

寺村さん:もちろん、基本的な技術は必要だと思います。けれど、僕は美容師が美容の技術だけで競う時代は、いつか終わるんじゃないかと思っていて。薬剤やVRなどのテクノロジーの進化で、美容師の技術に差がなくなると思うんですよ。たとえば今、美容学生向けにVRを活用した教育システムを開発しています。これが完成すると、優れた技術を持っている人の手元の動きをみながら、直感的に学ぶことができるようになります。うまい人の手元を見ていると、自分の手を動かしていると脳が錯覚するんです。すると、爆発的にうまくなり、習熟スピードもあがります。カット講師の手元を毎日でも見ることができるようなものですから。

 

テクノロジーによって教育にかけられる時間が短縮されれば、その分、違うことに使える時間が生まれます。Lilyには、毎月三桁万円の広告収入を稼ぐYouTuberのおのだまーしーくんがいますが、彼は動画編集のクオリティをあげるためにアシスタントを雇うかどうかを検討していて…美容師のアシスタントではなく、動画編集のアシスタントですよ? こんな感じで、美容師×〇〇というスタイルがどんどん広がっていくんじゃないでしょうか。

 

木村さん:寺村さんは美容の技術を直接教えてくれるだけではなく、美容師の未来を示してくれます。あと、すごく後輩想いなんですよ。寺村さんがスタッフルームに置いている本をみてみたら、リーダーシップの本とか、後輩の育て方とかの本がたくさんあって、心に刺さるものがありましたね。僕のためにここまでしてくれるんだ…って感じました。

 

>お二人が考える美容師のこれからとは?

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