もう無理、限界突破⋯「美容師がキャパオーバーを感じた瞬間」エピソード10選
迷惑電話かと思ったら⋯!?美容師を壊した「3コールの呪い」(26歳/女性)
うちの店のモットーは「予約サイトの割引掲載に頼らない」でした。なので、予約は全て電話対応で受けることになっています。さらに社長のポリシーで、「電話は3コール目までに出ないといけない」というルールがあったんです。
当然、施術中でも電話が鳴ればすぐ取るのが当たり前。カット中に「少々お待ちください!」と電話を取るなんて日常茶飯事。シャンプー中でも、カラーで手が汚れてる状態でも、お構いなし。しかも3コール以上鳴ると、店長の凄まじい視線が向けられ、営業後のミーティングで怒られます。そのせいで、コールセンター並みに電話の音に敏感になってしまいました。
そしてある日、接客中にまた着信が。うんざりしながら電話に出ると、「ツー」という音だけで⋯。すでに切られていました。「なんだよもう! 忙しいのに!」と思いながら接客していたお客さまの元へ戻ると、すぐさま電話の音が。イライラしながらまた電話の元へ向かうと、また「ツー」という音。イタズラ電話だと思い、さらにイライラしていたら、スタッフが「さっきから何やってんすか?」と話しかけてきたんです。「いや、イタズラ電話みたいで。 取ったら切られちゃうんだよね」と答えると、「⋯電話鳴ってないですよ? だ、大丈夫ですか⋯?」と言われたんです。

どうやら、接客対応と電話対応の同時進行、そして電話に出ないと怒られるというプレッシャーで頭がパンクして、鳴ってもいない電話の音が常に聞こえるようになってしまったようでした。
いつの間にか業務のストレスが私のキャパをはるかに超えていたんだと思います。電話の音に怯えなくていいように、早くネット予約システムを導入してほしいです⋯。
耳元で「おい、お前いい加減にしろよ」⋯子ども好きだった美容師がまさかの豹変(25歳/女性)
私は子どもが好きだったのですが、美容師になってキッズカットをするようになってから変わってしまいました⋯。
小さい子どもは、カット中だろうが何だろうが全然じっとしていられないんです。泣き叫ぶ、滝汗で髪がびちゃびちゃになって全然カットが進まない、寝てしまって下を向いてしまうなんて日常茶飯事。
初めは「もうちょっとだからね〜」と優しく声をかける余裕があったのですが、あまりにも施術が進まない日が続くうちに、心の中で「このガキ! 動くんじゃねーよ!」と思ってしまうようになりました。特に余裕がないときは、後ろで見ているお母さんに対しても「ニコニコしながら写真撮ってないで、自分の子どもくらいじっとさせろや!」と思うようになってしまったんです。
そしてある日、カット中に「喉渇いた! コーラ飲まないともうやらない!」と子どもが理不尽な要求を出してぐずり始めてしまいました。全然カットが進まず、次の予約の人も来てしまって焦っていた私は、親の目を盗んで無意識に子どもの頭をわしづかみにし、耳元で「おい、お前いい加減にしろよ」と低い声で怒ってしまいました。
子どもはビビったのか静かになり、そこからはスムーズにカットできました。でも、まさかあんなに子ども好きだった私が、人様の子を脅すような日が来るとは思いませんでした⋯。人は、いっぱいいっぱいになると性格まで変わってしまうんですね。
>笑い声と何かが叩きつけられる音⋯多忙と連続ミスでぶっ壊れた美容師の奇行とは