SNSのバズとクリエイションの審美眼、その両方を武器に挑み続けるDaB Daikanyama私市龍星さん―トレンドメーカーの「ブレイン解剖」
ファッション誌はもちろん、流木が作る自然の造形やバランスをスタイル作りに活かす!?

コンテストやクリエイティブのスタイルを作るのは、美容学生の頃から好きでした。美容師になった今、クリエイティブを作るときに意識しているのは、“全体のバランス感”。髪型だけではなく、衣装や構図も含めたトータルの仕上がりをどう見せるか、という視点です。
人の頭って、全身の中ではせいぜい7分の1か8分の1くらいの面積しかないんですよね。だから、ヘアスタイル単体のクオリティだけじゃなくて、全身としてどれだけ統一感と完成度を高められるか。それがあって初めて、第一印象で目を惹くスタイルになると考えています。
クリエイティブのスタイルを作るときには、まず衣装を決めて、それに合わせて髪型、カラーの順番に決めていき、バランスを調整していきます。衣装の色味や質感を先に決めて、そこにフィットするヘアを組み立てることで、スタイルを見たときの“引き”が変わってくると思います。

コンテストや撮影の予定が決まったら、まず僕はとにかくリサーチをします。SNSやブランドのルック、写真集やファッション雑誌、アニメを見ることもありますね。雑誌も、業界誌に限らず、ファッションとフォトグラファーの感性が光っているものを参考にすることが多いです。
一方で、“自然の造形”にも強く惹かれることも。たとえば、僕は流木が好きなんですよ。流木は自然に作られた形で、人工物では出せないバランス感があります。コロナ禍で家にいる時間が長かった時には、流木を使って照明を作ったり、水槽にテラリウムを組んだりもしていて、そのバランス感覚が今のスタイルづくりにも生きていると言えるかもしれません。