痛んだ髪に施術して、誰が幸せになれるんですか?

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NHKで「髪の悩みの駆け込み寺」として紹介されるなど、オリジナルのヘアケアメソッドで、美容業界に新しい流れを作っている「髪の病院」。その創始者であり、日本全国で年200日間、ヘアケアメソッドの啓発をおこなっているのが谷村正一(たにむらしょういち)さんです。たった1回の施術トリートメントの料金が50万円というゴッドハンドのもとには、日本のみならず世界から悩める女性が訪れているのだとか。今回はそんな谷村さんが「髪の病院」を立ち上げた経緯と、美容業界に対して抱いている危機感を語ってもらいました。

 


 

ハリウッドの一流美容師は弁護士よりも尊敬される

 

-谷村さんは「髪の病院」を立ち上げるまでは何をしていたのですか?

 

アメリカを拠点として美容師をしていました。向こうにはカットだけで10万円の美容師がザラにいます。とくにハリウッドでは、信頼される美容師は、弁護士よりも社会的な地位が高いとされていたんです。その後、2001年の同時多発テロをきっかけに帰国し、2002年に地元京都で「SANC」という美容室を立ち上げました。そのとき2つの大きな違和感を抱いていたんです。

 

ひとつは、世界一の技術レベルを持つ日本の美容師が全く稼げていないこと。僕はアメリカだけではなくヨーロッパやアジアの美容を見てきましたが、日本人の美容師が一番うまいです。だけど、ビジネスが下手。どんなに仕事ができる人でも、カット5000円、ストレートパーマ1万2000円とかが相場じゃないですか。なぜわざわざ価格競争をしたり、価格を横並びにしたがるのか疑問でした。

 

もうひとつは、アジアンビューティーと言われていたはずの日本人女性の髪の毛が、とても痛んでいたこと。これは今も感じることですが、僕から見たらほとんどの女性の髪に何かしらの問題があります。だけど、そのことに誰も気づいていない。お客さまの髪に一番近い存在である美容師もそうです。

 

-美容師の社会的地位向上と日本人の髪を救うために、「髪の病院」をつくったのですね。

 

その通りです。サロンのお客さまに一度アンケートをとったんです。「あなたは美容師にどんなことを求めていますか?」って。そうしたら、髪の悩みを解決して、本当の美髪が手に入るのならいくらでも出したいという声が集まりました。つまり美容師が髪のお医者さんになって、美しい髪を育てられれば、みんな幸せになるんです。

 

 

1回の施術が50万円でも客足が絶えないわけ

 

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80代女性の改善前の髪

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80代女性の改善後の髪

 

何か体に不調があってお医者さんにかかっている人は、よほど怠惰ではない限り、言われた通りに薬も飲むでしょうし、お酒やたばこも控えますよね。「また2週間後きてください」と言われたら、必ず行くでしょう。それと同じで、お客さまが本気で髪のことで悩んでいて、美容師がその悩みを解決できるなら、主導権は美容師にまわってきます。

 

「髪の病院」が提供している施術トリートメントはまさに、美容師が医師のように、お客さまの悩みを解決するためのもの。僕は従来の髪の理論をイチから見つめ直して、髪と頭皮を自然な環境に戻して、美しい髪のサイクルを取り戻すためのメソッドをつくりました。正しい手順を踏めば、80代の薄毛で悩んでいるお客さまの髪を艶々に若返らせることもできるんです。

 

美容師がかかりつけ医のようになるのが理想ですね。施術トリートメントの料金はいかほどなのでしょうか?

 

僕の場合、25万円から50万円です。しかも、3週間に1回は必ず来店してもらうことが条件。こちらのルールを守っていただかないと、美しい髪を取り戻す保証ができないですから。

 

髪で悩んでいる方からすれば、薄毛などの症状は深刻な病気と同じです。だから、再び美しい髪が手に入るのなら、高くないと考えてくださる。ちなみに、大変申し訳ないのですが、京都店は6カ月待ちの状態です。これ以上お待たせすることができないから、新規や紹介もお断りさせていただいています。

 

お客さまは一般の女性から上場企業の社長の奥さまなどさまざま。日本だけではなく、フランス、ハワイ、上海、台湾、シンガポールなどからもいらっしゃいます。

 

>価値ある技術を安売りする必要がどこにある?

 

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