“飽きっぽい”が、むしろ強み。技術も発信もアップデート#くすみカラー THE CHAINON AOYAMAの佐々木泰良さん#♡♡♡♡♡♡♡でTOPにでてきた人
フリーランス時代に鍛えた会話力で顧客化へ働きかけ。「楽しいひと時」を付加価値に

―ほかに、SNSから集客したお客さまを顧客化していくポイントはありますか?
かわいいスタイルになれることは当たり前として、僕は接客や施術中の会話といったコミュニケーションの面で工夫しています。
僕のところに来てくれるお客さまに、かわいくなれる、きれいになれる以外の付加価値を与えられるとしたら、「楽しい時間を過ごせる」ことなんじゃないかと思うんです。なので、会話も接客っぽい丁寧なものというより、友人のような“話しやすさ”を意識しています。
僕自身、美容室に行くと、美容師さんから話しかけてもらわないと、自分からは話しかけられないんですよ。お客さまの中にも同じ人はきっといるはずなので、自分から積極的に話題を振るようにしていますね。

―もともと話すことは得意だったんですか?
それが違うんですよ。美容師になったばかりの頃は、シャイで人見知りなので、お客さまとも何を話したらいいのかわからなくて。加えて、ちょっとスカしていたほうがかっこいいかも、と考えているところもあったんでしょうね(笑)。もちろんそういうスタイルがかっこいい美容師さんもいますが、僕は違うなって。少し年齢を重ねて、「会話ができて楽しい人と一緒にいるほうが心地いい」と自分自身が思うようになったものあります。

楽しく会話をしたほうがいいと改めて気づいたのは、シェノンに前にフリーランスで美容師をしているときでした。フリーランスの場合、基本的にはマンツーマンなのでカラーやブリーチの放置中に会話がないと、お客さまはスマホをいじっているしかないし、お互いに薄〜い時間を過ごすことになりますよね。だからといって、放置時間はバックルームに引っ込んでいるのも違うな、と。せっかく僕を指名して来てくれているんだから、技術以外にも喜んでもらえるものを提供したい、と考えて、放置時間中も必ず同じ空間にいておしゃべりするようになったんです。
そのフリーランス期間のおかげで、コミュニケーション能力がかなり鍛えられたので、やってよかったな、と今でも思います。

―そうだったんですね。Instagram以外にもSNSはやっていますか?
TikTok、X、Red Bookもやっていて、それぞれ毎日投稿をしています。若い世代はInstagramよりもTikTokを見ている傾向があるので、これから集客のためにSNSをやろうと考えている方は絶対にTikTokもやったほうがいいと思います。
―TikTokでもスタイルを上げているんですか?
カウンセリングなどの動画ですね。編集する時間が取れていないので、撮影したものをそのまま載せているだけなのですが、それでもかなりの回数見ていただいて集客につながっています。ヘアスタイルだけの発信は飽和状態と言ってもいいので、美容師さんは自分の人柄を含めて認知を広めていく必要があると思いますね。

―なるほど。最後に、これからSNSで集客をしたいという美容師さんにメッセージをいただけますか?
まずは1日1投稿をコツコツ続けることから始めてほしいですね。僕もコツコツ続けることで集客につながったので。
SNSを始めるときって、形から入るというか、系統を先に定めたりセンスのよいものを上げたいという気持ちだけが先走って、素材不足になりがちです。そうなると毎日投稿はできないんですよね。なので、まずは投稿することを優先に取り組むのがいいと思います。投稿する習慣がつけば、素材はおのずと集まってくるものですから。
あと、自分がSNSを見ている時間もどういう人が伸びているのか研究する視点を持って見るといいと思いますよ!
―佐々木さん、今日はありがとうございました!

- プロフィール
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THE CHAINON AOYAMA
スタイリスト/佐々木泰良
愛媛県出身。ハリウッド美容専門学校卒業。都内数社とフリーランスを経てTHE CHAINON AOYAMAに入社。トレンドに合わせたカット、カラーを続々と打ち出し、美容への意識の高い女性客から高い支持を集める。
Instagram:@taira__hari
(文/須川奈津江 撮影/菊池麻美)