未来を変えるのはハサミだけじゃなかった。若手美容師たちのリアルな自己投資の現在地
経験にお金を使い、ジムで精神と肉体を鍛えるNull AYATOさん

Null /取締役サロンマネージャー
AYATO
三重県出身2000年生まれ
旭美容専門学校卒業後アシスタント期間0日でスタイリストデビュー。都内2店舗を経て2023年6月Null 創業メンバーとして参画。その後株式会社Null取締役/サロンマネージャー就任。
英国で学んだ本格的な技術を活かし、骨格にフィットする似合わせカットと理論に基づいたデザインカラーを得意とする。ナチュラルからオートクチュールまで、ジャンルに縛られず幅広い顧客を担当。サロンワークを中心に、講師活動やセミナーでも活躍。Nullの教育者として育成にも力を注いでいる。
Instagram :@ayato.null
―現在、力を入れている自己投資は?
自分が興味のある「経験」にお金を使うことと、ジムです。

―自己投資を始めたきっかけと継続期間は?
経験にお金を使い始めたのは、美容師2年目でフリーランスになった頃からです。
無駄な出費を減らし、その分を“経験”に充てることで、自分の引き出しを増やし、お客さまに還元できると考えました。
また、自分で稼いだお金のありがたさや重みを実感する中で、その一つひとつを無駄にしたくないという思いも強くなりました。
どうせ使うなら、未来につながる使い方をしたい。そんな意識が、自己投資へと自然に向かわせたと思います。
ジムは精神面を強化し体力をつけて、心も体も余裕のある人間になるために始めました。
本格的に筋トレを始めたのは去年の夏頃からです。
―投資している「時間」や「金額」の目安は?
自分の経験への投資は
100〜200万程。
ジムは100万程です。
―具体的にどのような活動をしていますか?
旅行や景色を見るのが好きなんです。
いいホテルに泊まったり、ご飯、服やアクセサリーに投資しています。
ジムは個人でジムに通っていましたが、今年からトレーナーと契約をしてパーソナルジムに通っています。

―その投資によって変化したことは?
大前提として、投資したものがそのまま返ってくるとは思っていませんし、絶対に対価を得ようという考えでもありません。自己投資をするときは、ただ純粋に、そのときのワクワクや直感に従って動いています。
でも実際、ホテルや食事の体験からは多くの学びがあります。美容師も接客業だからこそ、サービスの細部や空気感、心配りに自然と目がいくようになりました。一流の技術はある意味で均一化されている中で、それ以上の“こだわり”が付加価値になる。その付加価値に触れられること自体が、大きな経験だと感じています。
そして、それらを自分なりに解釈し、サロンワークに落とし込み、お客さまに提供できるようになったことが一番の変化です。
ジムに関しては、見た目の変化はもちろんですが、精神面の安定が大きいです。
生活リズムも整い、より健康的に過ごせるようになったことで、仕事への向き合い方にもいい影響が出ていると感じています。

―「投資を回収できた!やってよかった!」と感じる瞬間は?
どの経験にも意味があって、そのときの選択は間違っていなかったと感じています。だから結果的に、すべてやってよかったと思えています。
その中でも、ジムは特に大きな転機でした。
自分の甘えと向き合い、それを断ち切るきっかけになったことで、人としても成長できた実感があります。
―逆に、失敗談や反省点はありますか?
失敗ではないですが、一歩間違えると自己満足で終わってしまう危うさはあると思います。
だからこそ、そのお金がどこから生まれているのかという背景をしっかり理解した上で使うことが大切だと感じています。
そう意識することで、自然と“誰かのために”という視点で動けるようになる。
そして結果的に、それが自分に返ってくるものになると思います。

―この投資は、どんな人におすすめですか?
目に見えない付加価値を求めたい方には、すごく向いていると思います。
正直に言うと、僕自身も最初は「それをやっている自分がかっこいい」という動機からでした。
でも続けていく中で、本質に触れた瞬間や、自分の中で腑に落ちた感覚があって、そこから見える景色が変わりました。
目に見える結果だけではなく、その過程でしか得られない大切なものに気づける。
そういう価値を求める人には、すごく意味のある投資だと思います。
(編集/リクエストQJ編集部)