撮影で出会ってから13年間一途に通い続けています ―写真家と美容師の関係―

髪は感覚の拠りどころ? 長めのスタイルが定番

 

 

 

髪を切ってもらうときは、基本的にセキさんにお任せです。そのときの気分で「暑くなってきたんで、涼しくしてください」とか、「スーツ着用のイベントがあるからフォーマルな感じにしてください」とお願いすることもあります。でも、基本的には長めのスタイルですね。夏は暑いし、バッサリ切るのもアリなのかもしれないですけれど、カメラマンはロン毛が許される数少ない職業だと思っているので、許されている間は続けたいなと(笑)。

 

それに僕はヒマラヤなどの山岳地帯で撮影もするんですが、帽子をかぶるので長いほうが扱いがラクだし、ネパールとかチベット系の民族にも受け入れられやすいんですよ。溶け込み過ぎて現地に人に間違えられることもあります(笑)。

 

カメラマンは、ほかの職人さんと同様、感覚の世界を生きていると思うのですが、その感覚のよりどころになるものとして、髪型も大事なのかもしれないと感じることもあります。たとえば、白人に髪を切られたインディアンは第六感を失ったと言われていましたし、ヒゲを切られた猫はネズミを捕まえられなくなりますよね。どこまで本当か分からないけれど、髪は大切なものだからこそ、信頼できる人に委ねたい。これからもセキさんお願いしたいですね。

 

 

 

♦♦♦美容師への応援メッセージ♦♦♦

どんな仕事も修行からスタートします。修行は辛いけれど、辛いと思っているうちは甘い。それを乗り越えないとプロにはなれません。若い美容師さんには夢を持って乗り越えて欲しいです。そして、どんな仕事も人を好きになることが大事だと思います。人に関心がないとその人の魅力を引き出せないからです。辛さを乗り越え、人に関心を持って、ご自身の可能性を広げてください。

 

プロフィール
谷口京写真事務所
谷口京(タニグチケイ)

日本大学芸術学部写真学科卒。写真家・十文字学園女子大学非常勤講師。広告写真家·宮本敬文氏に師事したのちニューヨーク市ブルックリンで独立。アフリカ·中南米·アジアなど世界約60カ国を巡り2004年に帰国。ファッション·人物·ランドスケープ撮影、紀行文の寄稿、トークショー等、さまざまなメディアで活動中。
https://www.facebook.com/keitaniguchi.net

 

撮影協力 SENTAC

http://www.sentac.jp/

 

( 取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

 

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