誰もやらないなら僕がやる! 元Amazon事業部長が 世界に一つのカセットテープ専門店オーナーになったわけ

 

国内で唯一、Gucciがインスパイアされたスポットを紹介する「Gucci Places」に選ばれた場所が、東京・中目黒にあります。新旧さまざまな約6000本のカセットテープが陳列されているカセットテープ専門店「Waltz」です。

 

オーナーの角田太郎(つのだたろう)さんは、アマゾンジャパンで大きなビジネスを動かしていた人物。eコマースのプロである角田さんがなぜ、アナログなカセットテープ専門店を開いたのか、世界に一つの場所をつくり出すまでのストーリーを語っていただきました。

 

音楽好きはもちろん、髪型にさほどこだわりがない大人の男性の気持ちを知りたい美容師さんも必見のインタビューです。

 


 

小学生時代からレコード屋をめぐる音楽少年

 

 

僕がのめりこむように音楽を聴くようになったきっかけは、小学生のときに出会ったRCサクセションの「EPLP」(「雨あがりの夜空に」など収録)というアルバムです。そのころはちょうどYMOも全盛期で、坂本龍一さんや細野晴臣さんがよくラジオに出ていて、彼らが影響を受けた楽曲を紹介したりしていました。

 

今と違って音楽の情報が少なかったこともあり、ラジオで音楽について語るミュージシャンたちが、僕にとっては先生のような存在だったんです。気に入った曲があればレコード屋に借りにいき、それをカセットテープにダビングして…ということを小学生のころからしていました。

 

 

中学生になってからは洋楽にハマり、当時のヒットチャートを参考にしてさまざまな曲に触れました。いいなと思ったものがあれば、その曲を作ったミュージシャンが影響を受けた曲を聞くという具合に深掘りしていったんです。

 

高校時代はWAVEという、ちょっとトガったレコード屋(CDショップ)に通って、そこで最新の音楽を視聴したり、キャプション(楽曲の解説)を読んだりしていました。ただし、お金がないので、欲しいCDを全部買えるわけではありません。なので、WAVEで気に入った曲をメモして、神保町のジャニスというレンタルショップに借りに行っていました。ジャニスは音楽通の登竜門のようなお店で、フリッパーズ・ギターの小山田圭吾さんをはじめ、多くのミュージシャンも通っていたそうです。

 

日本のAmazonにおける音楽・映像事業の立ち上げに貢献

 

 

大学卒業後はWAVEに就職。上場企業などからも内定をもらっていましたが、「自分の好きなことじゃないと、いい仕事ができない」と思って決めました。親からは当然反対されましたけれどね。WAVEで働いていたのは4年ほど。WAVEを辞めたのは、タワーレコードなどのメガストアに押されて経営状態が苦しくなったことがきっかけです。退職後、1社を挟んで2001年にAmazonに転職し、日本におけるCD・DVD販売の立ち上げを経験しました。

 

Amazonは一つの仕事で結果を出すと、すぐ次の仕事にチャレンジするという環境だったので、CD・DVD部門の事業部長のあとは書籍、ヘルス&ビューティー関連の消費財、ベビー用品やペット用品、さらには新規事業開発など幅広い事業に携わりました。

 

 

ヘルス&ビューティーの事業部長をしていたころは、外資系企業のビッククライアントの莫大な予算を預かり、Amazonを活用したプロモーションを支援していました。数百人というクライアントの社員の前でプレゼンしたこともあります。一時期、髭を伸ばしていたこともありましたが、カミソリメーカーなどとのお付き合いもあるので、清潔感を優先して必ず剃るようにしました。

 

美容と関連するところでは、アリミノさんなどとのやりとりも経験しています。今日も髪はアリミノさんのワックスで整えているんですよ。ついでに肌のケアに関して言うと、僕がヘルス&ビューティー担当だったころからのヒット商品「ソンバーユ」を、毎晩寝る前に顔に塗って乾燥を防いでいます。

 

>アナログメディアであるカセットテープの魅力とは? 

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