街の美容室vol.7 清澄白河 kompis Minaさん

-サロンにいらっしゃるお客さまの層はどのような感じでしょうか。

 

子どもからご年配の方まで、年齢層は幅広いです。清澄白河近辺のお客さまはお子さん連れでいらっしゃる方も多いですね。お子さんと一緒にいらっしゃるときは、待合スペースを自由に使っていただいています。すぐ裏に清澄公園があるのですが、土日に家族連れでいらして、お母さんがカットしている間に、お父さんとお子さんが裏の公園で遊んで待つということもよくあります。お母さんにも一人の時間を満喫していただきたいので、そうした使い方をしていただけるといいと思い、公園裏のこの場所を選びました。

 

 

-どんなオーダーが多いのでしょう。

割と「おまかせで」という方が多いですね。作り込み過ぎないナチュラルスタイルで、その人らしさを引き出せるようなスタイルの提案を心がけています。お子さんがいらっしゃる方は時短で整えられるスタイルがいいというご要望が多いですね。

 

-インテリアもとてもすてきですが、ヨーロッパの雰囲気ですね。

 

私は旅行が大好きで、毎年夏の2週間は海外旅行に出かけます。ここにあるのは、行った先々の蚤の市で買ったもの。お客さまも旅好きの方が結構いらっしゃって、私の好きなものにも共感してくださる方が多いかもしれません。

 

 

 

-奥まっていても閉塞感をまったく感じない、抜けのある空間が心地いいですね。

 

ここは住宅街で大通りにも面していないので、当初、不動産屋さんにも「本当にここでいいの?」と言われました。でも美容院でカットしているところを人に見られるのは落ち着かないですよね。窓を作ってお庭が見える作りにして、開放感が出るようにしていただきました。仕事をしていないときも

安らげる空間になりました。

 

 

-MINAさんが感じる清澄白河の魅力とは、どんなところでしょうか。

 

大都会が近いのにそれを感じさせないゆったり感があるところがいいですね。ロンドンとパリに住んでいたことがあって近隣諸国もよく巡りましたが、ヨーロッパの街は緑や水があって落ち着きます。清澄白河もそれと雰囲気が似ています。大きな公園や川、橋もあって、オランダのアムステルダムにどことなく近いのかなと感じます。

 

 

-お客さまは清澄白河に何を求めてきているのでしょうか。

 

みなさん、この場所に癒しを求めているように感じます。「kompis」のコンセプトも「変わらない価値観」ですが、この街の新しい人や店が集まりながらも、昔から変わらない雰囲気が安らぎをもたらしてくれるのでしょう。私も撮影の仕事をしていたときは、ストイックで生活が犠牲になることもあったけれど、今は「仕事も生活も楽しむこと」がモットーです。心の余裕ができて、「美容師に転向してよかった」と素直に思えるようになりました。そう思えるようになったのも、清澄白河という場所のおかげかもしれませんね。

 

プロフィール
kompis/代表Mina

ヘアメイクアップアーティストを目指し専門学校でヘアメイクを学んだ後、20歳でヴィダルサスーンスクール(ロンドン)に入学。帰国して美容室に7年間勤務後、パリに渡りフランス語を学ぶ傍ら美容師としても働く。パリコレにも参加。その後は帰国してヘアスタイリストとして活動。2015年kompisをオープン。「kompis」とはスウェーデン語で「友だち」という意味。kompisを通じて新しい人の輪ができるようにという思いを込めて名付けた。

 

(取材・文/揚石圭子 撮影/泉山美代子)

 

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