美容師に“遅咲き”はない!? 無我夢中の20代が、輝かしい美容人生の礎 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき9つのこと」〜 stair:case 中村太輔
3つ目: ハッタリをかましてでもチャンスをつかめ!
僕が前に所属していた会社は、日本で最初にヘアカラーリスト制度を導入しました。会社としても「カラーリストを前面に出していこう!」という空気があったんですが、先輩たちが結婚などで次々と退職し、気づくと23歳でカラーリストのトップに……!
おのずとセミナーや雑誌の撮影、取材など僕に回ってくるんですね。実力やキャリアがまだ全然追いついていないのに「専門家」として呼ばれるわけです。
若くて経験値が少ないですから、撮影の依頼がきても「やったことがない!」ってなる。でも、打ち合わせから撮影まで1カ月くらいあるから、その間にできるようにするしかない。会社の看板を背負っている以上、失敗はできないし、恥をかきたくない。必死でやるしかないんですよね。
そうしてなんとかやりきると、「あいつこんな仕事もできるなら、次はこういうのもやらせてみよう」となる。一つチャンスをもらったときに結果を出すと、また違うチャンスがもらえて、さらに結果を出すとまた次のチャンスがくる。自分にチャンスが集中するようになるんです。
でも、一度チャンスを流してしまうと、しばらくは回ってこない。一生待たなきゃいけないかもしれない。チャンスは不平等なものなんです。あのとき僕が「できません」と言っていたら、今の自分は多分いないと思います。
4つ目: 美容師の仕事にできないことは一つもないと信じろ!
僕自身は器用でも不器用でもない、中途半端なところなんですけど、それでも所詮は人間がやることだから「美容の技術は絶対にやればできる」と思っているんです。
僕ができるなら、みんなだって絶対できるはず。あとはどれだけやるか、どこまでこだわるかの違い。
技術そのものは、そんなに難しいわけじゃないんです。もちろんキャリアが長くなると所作に深みが出たりはするけど、練習量さえしっかり積めば、誰でもある程度のところには到達できると思います。
だから、「自分は不器用だから」という言い訳であきらめちゃうのは本当にもったいない。最初は人の倍や3倍は練習しなきゃいけないこともあるかもしれない。でも、それでできるようになれば、次はもっと早くできるようになる。そこを最初に乗り越えられるかどうかがすごく大事です。美容師の仕事は、やれば誰でもできる仕事だと信じて頑張ってください。
>5つ目: 20代のうちに働く環境次第で、美容師の人生が決まると心せよ