森越道大が物申す「髪質改善の作法と経済学」。パーマ美容師がなぜヘアケアに魅せられたのか?

髪に悩むお客さまのために、もっと頑張らなくては

 

 

うちに来店される方は、皆さんめちゃくちゃ悩んでいます。コロナ以前は、一日の半数が九州や北海道など地方から来られたお客さまでした。「髪型をどうしたらいいのか分からない」と、セット面で泣かれたこともあります。それで髪を見るじゃないですか。カットラインがひどかったり、この髪にパーマ?ブリーチ?縮毛?というオンパレードで、「こんなことしやがって…」と本気で腹が立つことが同じ美容師として正直あります。お客さまの大切な髪と人生を任されていることを自覚し、美容師はプロフェッショナルであるべきだ!と強く言いたいです。そうすれば、街を歩く人の髪がもっと綺麗になると思うから。

 

美容業界の技術の低迷にも原因があると思います。僕は7年修行してスタイリストになりましたが、今はSNSで集客できるので、技術以上にセルフブランディングに目を向けがちですよね。夜遅く残って練習している人はいなくなったけど、動画編集している人はたくさんいるという時代。でも一方で、お客さまの年齢層は上がっている。だから、髪質改善が求められるんです。

 

一日に施術できる人数は限られているし、僕自身がもっと美容業界に貢献できる方法を広い視野から考えています。もうサロンで働いている場合じゃないんですよ(笑)。実は「MORIKOSHIチーム」には11人のスタッフがいるんですけど、メンバー全員でお客さまをお迎えし、共有するという独自の営業システムを作っています。パーマ、縮毛矯正、髪質改善に特化したスペシャリストたちが最高のクオリティで施術を担当しているので、僕が直接携わらなくても生産性が上がるんです。

 

今後、僕が積極的にサロンの外に出ていき、全国の美容師さんに対してマインドセットのセミナーをすることで貢献していきたいなと考えています。髪に悩めるお客さまのために、全国の美容師を育て、美容業界全体のレベルアップに向けて本気で取り組みたいと思っています。

 

プロフィール
森越 道大(もりこし みちひろ)/GARDEN所属/senjyu統括代表

1988年、北海道生まれ。17歳から美容室で働き始め、北海道、横浜の2店舗を経てGARDENに入社。26歳でデビューし、その月の売上350万円を達成して一躍話題に。高いパーマ技術に定評があり、髪質改善に注力。MORIKOSHI プロフェッショナルチームを発足後、月間売上1,100万円を実現。2020年社内起業『senjyu』を設立し、表参道のシェアサロン『NEHAN』の立ち上げに参加。全国の美容師の技術の底上げを使命として、セミナー講師としても活躍中。

https://morikoshi.net

(文/織田みゆき 撮影/松林真幸)

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