カットの名門でヘアセットを武器に! PEEK-A-BOO森本成美さんの挑戦 #Z世代のスター発掘

SNSでの競争がどんどん激しくなっている近年。デジタルネイティブ世代の若手美容師たちは、どんな武器を持って激戦を勝ち抜いているのでしょうか?
今回は、カットの名手が集うPEEK-A-BOO(ピークアブー)の中で、ヘアセットを武器にブランディングを行っている森本成美(もりもとなるみ)さんが登場。5年半のアシスタント期間を経て念願のデビューを果たしたものの、新規獲得に苦戦。そこで森本さんが選んだのは、幼い日から好きだったヘアセットに特化した発信でした。カットの名門PEEK-A-BOOで、あえてヘアセットを武器にした森本さん。新たな着眼点の打ち出しで、集客に成功するまでのストーリーを伺いました。
ヘアセット好きは幼稚園児の頃から!? 自分の“好き”が仕事になるまで

私のヘアセット好きは、実は幼稚園に通っていた頃から始まっているんです。その頃はそれが仕事になるとは思ってもみませんでしたが、高校卒業後の進路を考えたときに「大学に行くほど勉強は得意ではないし、高卒では働ける仕事も限られてしまう。それなら、小さい頃から興味があった美容の道に進もう」と美容専門学校に進学しました。
学生時代はテレビのヘアメイクの仕事に憧れていたんです。自分が手掛けたヘアメイクがテレビ画面越しに映るなんて素敵だな、と。でも美容学校の先生に相談したところ「ヘアメイクを仕事にするにしろ、美容師免許を取るからにはカットができなきゃもったいない」という勧めを受けて、まずは美容室に就職することに。

学生時代はあまりサロン事情に詳しくなかったのですが、やるからには自分のモチベーションが上がる場所で、知名度のあるサロンで働きたい!と思い、PEEK-A-BOOの門をたたきました。
入社式の際に、全社員の前で自己紹介として自分の好きな技術を発表する機会があったんですよ。PEEK-A-BOOはカットが得意なスタイリストに憧れて入る学生が多いので、みんな「カットで有名になる」「カットで売れる」など、カットに関わる目標を口にしていました。私はというと、実はカットがそこまで得意じゃなく…。何を言おうか迷ってしまって、とっさに出てきたのが「カットも好きだけど、ヘアセットも好きです」という言葉。先輩方には「なんだあの子は」と思われていたかもしれません(笑)。

ただ、その気持ちは今も変わっていないんですよね。カラーで色の変化があったり、カットをしてスタイルが変わるのと同じように、ヘアセットでも結び方、巻き方一つで変化が生まれます。自分が作ったスタイルで誰かが喜んでくれるのが、私は昔からとても嬉しいんですよ。
アシスタント期間は5年半で、6年目でデビュー。私は同期の中でも若干デビューに遅れをとっていました。でも、それで焦ったり、周りと比べたりということはあまりなくて。逆に、デビューしたらアシスタントにはもう戻れないので、アシスタントのうちに学べることをしっかり学んでおきたいという気持ちが強かったですね。もちろん辛い瞬間もありましたが、同期に励まされ、刺激をもらい、総じて楽しいアシスタント期間だったと思います。