知らないうちにタダ働き? 美容師の「試用期間」に起こるトラブルとその対処法

2018.05.22

 

サロンで働くときに出てくる「試用期間」。名前は知っている、あるいは自分も最初の数ヶ月は試用期間で働いていたという人も多いでしょう。実はこの「試用期間」。よく理解しておかないと、「雇い主=サロンオーナー」と「雇われる側=あなた」の間でトラブルになってしまうことがあるんです。「試用期間」という名のもとタダ働きの強要といった違法行為をしていたという例もあるので、知らないままでいると泣き寝入りなんてことも!

 

そこで今回は、労働関連の専門家である、社会保険労務士の柳原慎也(やなばらしんや)さんに、試用期間中のトラブルや対処法について教えていただきました。いま、試用期間中の方はもちろん、転職を考えている方、過去に「あれっ?」と思ったできごとがある方も必見ですよ!

 


 

「試用期間」とはお互いが見極めるための期間

 

「試用期間」とは字の通り「お試しで働く期間」のこと。サロンオーナーなどの雇う側と、雇われる美容師さんのお互いがサロンで気持ちよく働けるかどうかを見極めるための期間です。

 

となると、雇う側が「君とは気持ちよく働けない!」と突然クビにしてもいい……というわけではありません! 会社が人を雇う際には守るべき法律(労働基準法)があり、正当な理由がなければむやみにクビにすることはできないのです。

 

そのため、場合によっては「NO!」と言う権利があります。

 

 

試用期間中のありがちなトラブル

 

ここからは、試用期間中に起こりがちなトラブルについて、具体的にご説明します。なにが違法で、なにが正当なのか。自分自身が被害者にならないためにぜひ、チェックしてくださいね。

 

 

1.本採用の拒否や突然のクビ

 

 

会社が、本採用を拒んだり、試用期間中にクビにしたりすることは違法ではありません。ただ、会社がクビや本採用を断る場合は「正当な理由」が必要です。しかし、正当な理由には明確な基準がないので、トラブルが発生しやすいのです。

 

ここでは、一例としてクビにする正当な理由になる可能性が高いもの、不当な理由になる可能性が高いものをご紹介します。

 

【クビなどの”正当な理由”とされる可能性が高いパターン】

・遅刻や当日欠勤が多い

・無断欠勤がある

・先輩スタイリストの指示を無視する

・お客さまに対して乱暴な発言が多い

 

【クビなどの”不当な理由”とされる可能性が高いパターン】

・カットや接客の能力が低い

・社風やサロンの雰囲気に合わない

・お客さまやスタッフに気に入られていない

 

正当な理由として認められる可能性が高いのは、いずれも自分勝手な振る舞いが問題になるパターン。逆に、「思っていたより美容師としての能力が低い」などはクビの理由として認められにくい傾向があります。

 

「日本の法律は、『一度雇ったら育てなさい、教育の機会や失敗の埋め合わせのチャンスを与えなさい』という考え方をします。中途採用者ならまだしも、専門学校を卒業したばかりのスタッフを雇った場合、腕や接客能力に不足があるのは雇う側でわかっていたこと、と法律では判断されます」(柳原さん)

 

クビ(解雇)は原則として退職日の30日前に伝えなければならないため、いきなり「明日からこなくていい」と言われるわけではありません。ただ、試用期間をはじめて14日以内はクビの予告がないことがあることを覚えておきましょう。

 

 

2.給料の未払い

 

 

「働いた期間が試用期間だったから給料はないよ」と給料を払ってもらえない。これは試用期間や美容師という職業に限らず、決して許されることではありません! 働く人のすべてが、働いた分の給料をもらう権利があります。雇った側は、もし途中から無断欠勤したとしても、働いた期間分の給料は払わなければいけません。

 

 

3.給料が最低賃金を下回る

最低賃金とは、各都道府県別に定められた最低時給の額。法律で決められており、各県で金額が設定されています。例えば東京都の1時間当たりの最低賃金は958円(2017年10月1日改定)です。

 

試用期間であっても、最低賃金以下の給料は違法です! まずは、厚生労働省のホームページ「地域別最低賃金の全国一覧」 で、住んでいる地域の最低賃金を確認してみましょう。

 

時間給の計算方法は、「基本給+諸手当÷1ヵ月の総労働時間数」。詳しくは「最低賃金額以上かどうかを確認する方法 」でチェックできます。

 

 

4.社会保険や雇用保険の加入拒否

社会保険料や雇用保険料は会社が半額以上を負担することが法律で決まっています。そのため、試用期間だからといって保険に加入させないのは違法の可能性があります。正社員ではなく、アルバイトや契約社員だとしても一定の条件を満たせば加入させなければなりません。中には負担逃れをしている会社もあるので、気を付けましょう。

 

社会保険の加入条件は「週に20時間以上働いた場合」などがあるので、詳しい条件については政府広報オンラインこちらのページ で確認してみてください。

 

 

>会社の身勝手に振り回されないために! トラブルの対処法とは?

 

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