コロナ禍だからこそ、ハッピーなクリエイションを届けたい−冨沢ノボルのマスクビューティ2021− VOL.1

 

ヘアメイクの冨沢ノボルさんをご存知でしょうか。その独自の世界観と個性的なクリエイションで、雑誌、CM、映画や舞台、MVなど、フィールドを問わず活躍されているトップヘアメイクアーティストです。これまで松任谷由実さんや渡辺直美さん、きゃりーぱみゅぱみゅさんなど、年代を問わず様々なアーティスト、女優を担当されています。

そんな冨沢さんが、「こんな暗い時代だからこそ、ハッピーな気持ちになれるクリエイティブを美容師さんへ届けたい!」との想いから、QJナビDAILY限定で撮り下ろし作品を公開してくださることになりました。全3回の集中連載です。

冨沢さんのヘアメイクの仕事観や、世の中に対する想いとともに、創造性あふれる世界観をぜひお楽しみください。テーマは、「マスクビューティ」です。

 


 

TITLE:

「Round○」

 

ON

 

 

OFF

 

ヘア&メイク/冨沢ノボル
撮影/森 康志
モデル&スタイリング/モトーラ世理奈

 

−今回の作品のテーマ、「マスク」はどのような意図があるのでしょうか?

 

 

昨年に引き続き、コロナがまだまだ予断を許さない状況ですよね。もはやマスクをすることが当たり前の日常になってきています。だけど、マスクをしていても美は追求できるし、マスクをしていない素顔ももちろん美しい。そんな2つの顔を表現したいと思って、このテーマにしました。あとは、こんな世の中ですが、置かれた状況でどう楽しむかというのは僕たちのような何かをクリエイトする立場にとってはすごく重要なことだと思うんですよ。だから今回は、普通の「マスクをした美しいスタイリング」ではなく、思いっきりデフォルメして、つくること自体を楽しんでいることがわかるような作品にしたいと考えました。

 

今回の「Round○」は、地毛とウィッグの間の縁をあえて強調することで、丸が2つあるように見せているのがポイントです。メイクは80年代風を意識して仕上げています。80年代がすごく今の自分のムードにしっくりきているんですよね。

 

−こうした作品づくりや、ヘアメイクをする際にどんなことを考えていますか?

 

まずは自分が思いっきり楽しむこと。今の時代って頭でっかちになりがちだと思う。TwitterやInstagramをひらけば、いろんな人がいろんなことを言っているし、調べればなんでも出てくるし、とにかく情報量が多い。情報はときに便利ですが、一方で邪魔になるときもある。外からの情報はいったん遮断して、本当の自分の気持ちに素直になること、純粋にヘアメイクを楽しむことをいつも意識しています。あとは、美容師さんもそうだと思うんですが、ヘアメイクも人と人とのお仕事。だからこそ、人と向き合って話をすること、関わる人すべてに対しての愛を持って接することを大事にしています。

ヘアメイクって本当に楽しいし、自由なんですよ。もちろん、今回のような作品を見て、受け手がどう感じるかも自由。これからの連載で、いろいろと自由に感じてくれたら嬉しいなと思います。

 

 

来週配信の2回目のタイトルは「Triangle△」。冨沢さんのアイデアの源泉、インプットの方法にも迫ります!

 

プロフィール
冨沢ノボル

都内美容室勤務、ヘアメイクアシスタントを経て、1992年にフリーのヘアメイクとして活動開始。1995年の渡米から帰国後の1998年以降、ファッション誌、広告、TV、CM、CDJ、PV、コレクション、映画、舞台、Beautyディレクションなどに携わる。また、数々の女優やアーティストのヘアメイクも担当。自身のオリジナリティあるキャラクターから、TV出演も多数。(www.urobon.com )
Instagram: @noboruok ,@i.am.not.noboru

 

 

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