【実話】怪奇な和紙に包まれた毛束の謎…現役美容師が体験した怖い話10選!
「寒い…」ドライヤーの音に混じって聞こえてきた謎の声(28歳/女性)
髪を乾かしていると、それまで雑誌を読んでいたお客さまが顔を上げて「何か言いました?」と尋ねてきました。「いや、何も言ってないですよ!」と返すと、再び雑誌を読み出すお客さま。少しすると、そのお客さまが今度は「いえ、寒くないです!」と私の方を見て言いました。「どうかされましたか?」と聞き返すと、「えっ、だってさっき寒いかどうか聞きませんでしたか?」と。
そうは言っても、ドライヤーから出ている風は温風だし、時期的に寒いわけでもありません。そのときは「ちょっと変わったお客さまなのかな?」と思っていました。しかし、ドライが終わりかけたそのとき、ドライヤーの“ゴー”という音の中から、かすかに「さむい…」という声が聞こえてきたのです。

その瞬間、鏡越しにお客さまと目が合い、「今、聞こえましたよね…?」とおそるおそる確認しました。お客さまは私の問いかけに頷きながら「今の声って霊的なやつですかね? 寒くて死んだ人の霊が、ドライヤーの温風に引き寄せられたとか…?」なんて言い出すので、一気にゾッとしてしまいました。しかし、あの日以来、ドライヤーから「さむい…」という声が聞こえたことは、一度もありません。
鏡の中と現実で違う動きを見せるお客さま…一体何が?(29歳/男性)
新規のお客さまをカットしていたときの話です。そのお客さまは僕が話しかけてもこちらを見ず、俯いたまま返事が返ってくるような方でした。目も合わないし、あまり話したくない人なのかな? と思い、必要最低限の会話だけしていました。でも、途中からはリラックスできたのか、そのお客さまから話を振ってくれるようになりました。しかし、鏡越しに会話しているお客さまは、ずっと俯いたままだったんです。
「よく話すのに目を合わせない不思議な人やなあ」と感じつつ、バックを切り終えてサイドに回ると、そのお客さまがしっかり前を見て話し始めたことに気がつきました。でも「お、 気が変わったのか?」と思いながら鏡を見ると、その方はまた俯いているのです。その変わり身の速さに「またか!? なんでやねん!」とつい心の中でツッコミを入れてしまいました。そのまま目の前のお客さまを見ると、やはり前を見た状態で楽しそうに話していたのです。
そこでようやく何かがおかしいことに気がつきました。鏡と本物の動きが合ってない…!! 怖さのあまりパニックになりかけた僕は、アシスタントにこっそり事情を説明し、お客さまにバレないように見てもらいました。するとアシスタントの彼には「なんともないですよ。大丈夫ですか?体調悪いんですか?」と心配されてしまいました。それ以来は同じことは起きていないのですが、あれは一体なんだったのでしょう⋯。