街の美容室Vol.6 池袋 kauti前田 浩明さん

2018.03.22



それぞれの街を代表する美容師さんをインタビューする企画、「街の美容室」。第六回目の街は「池袋」です。

池袋駅は、JR東日本・東武鉄道・西武鉄道・東京地下鉄が乗り入れており、1日の平均乗車数は世界で2位(2016年度統計)。百貨店やショッピングセンター、映画館、水族館など、多数のお出かけスポットを有し、立教大学などの有名校があったりと、山の手エリア3大副都心の一つとして知られています。ですが、これまでヘアサロン・美容室のイメージはあまりありませんでした。しかし最近になって、立て続けに有名サロンや新規のサロンがオープンし、美容業界で池袋が注目されはじめています。

池袋にお店をかまえて12年目、池袋のスタイリッシュサロンの先駆けであるkautiの代表前田さんに池袋についてお話を聞いてきました。

 



−前田さんが池袋にくるまでの経歴を教えてください。


高校卒業してすぐ、サロンで働きながら夜間の美容学校へ通っていました。

最初は板橋のマダム系サロンで2年間働いて、その後青山、代官山を経て池袋のお店のスタッフとして勤務後、27才で池袋にkautiをオープンさせました。


−今から12年前にお店を立ち上げたとのことですが、当時なぜ池袋でお店をOPENさせたのでしょうか? 青山、代官山でも働いていたとのことですが、そちらの方面は選ばなかったんですか?


僕、埼玉県の川越出身で、東京に遊びにくるとなると池袋なんです。

池袋のことはよく知っているし、地元の友達も店舗に気軽に髪を切りにきてくれる場所なんです。オープンしたてはなんども来店してくれてすごく協力してもらいました。

……表向きはそんな理由なんですが、東横線や小田急線にちょっとしたライバル意識を抱えているんです。


−と、言いますと?


青山・代官山時代はアシスタントだったことと、親がすごく厳しくて金銭面の援助がほとんどなく、とにかくお金がなかったんです。そうすると家賃が5~6万しか出せない。

お店に少しでも近く、そのくらいの家賃で住めるとなると当時池袋周辺しかなかったんですよね。お店の人たちと帰る時、みんな渋谷や世田谷や中目黒へ帰るのに、僕一人だけ方向が違って、ものすごく嫌だった記憶があります(笑)。その頃から東横線沿いには負けない! とライバル意識が芽生えてしまいました。

それにどちらかというと、おしゃれキャラではなく、男同士でワイワイするのが好きなタイプなので、代官山や青山で働いているときは友達全員からそこはお前のキャラじゃない! と総ツッコミが入りました(笑)。


−なるほど(笑)


池袋は、実際住んでみると、交通の便はいい、ご飯屋さんもたくさんある、マニアックな人たち向けのお店や、意外と民家もあるし、立教大学周辺は静かなので住み心地がいいんですよ。

さらに池袋で働き始めてからは、実は義理人情を大事にしている地域密着型の街だという事に気がついて。いろんな面があるおもしろい街だと思ったんですよね。

それに僕がやりたいと思っていたナチュラルテイストの内装のサロンは当時の池袋にはなかったんです。

12年前、池袋にあったサロンのほとんどは繁華街で働く夜のお仕事の方向けのサロンが多く、巻き髪ロングの提案に、ジャケット着用のキレイ目な格好をしている美容師が主流でした。


でもそういったサロンの雰囲気が好きではないお客さまもいますよね。できれば近場に自分の好きなテイストのサロンがあるとうれしい。

内装はおしゃれだけど、自然体でこられるサロンを、というコンセプトでkautiをオープンさせるとお客さまも「(こんなサロン)待っていました!」と思ってくださる方が予想以上に多かったですね。

リクルートにも困ったことはほとんどありません。大々的に求人を出さなくても、kautiの雰囲気が好きな子たちが、毎年コンスタントに応募してくれています。

−お客さまのボリュームゾーンはどのあたりなんでしょうか?

20代前半〜40代前半です。大学生から主婦まで、ファッションに興味のある方が多く来店してくださいます。

今後の課題は50代のお客さまを増やしていくこと。お客さま層の幅が広がればお店の運営も安定しますからね。

−お客さまはどんなオーダーが多いですか?


Kautiは最初からショート・ボブを売りにしていたので、カットですね。ドライだけでキマるスタイルが多いです。でもうちのサロンは池袋の中では特殊な雰囲気なので、街を象徴するお客さま像という点ではあまり参考にならないかもしれません(笑)。

 


−今、池袋は新しいサロンがたくさんOPENしていて、それに伴い池袋で働くことを視野に入れている美容師さんも増えていると思います。池袋で働く心構えをお聞かせください。


どこの街でもそうだと思いますが、技術は絶対に必要です。

おそらく東京の繁華街の中では珍しいくらい、お客さま一人ひとりの好みも価値観もバラバラ。お客さまのさまざまな好みに応えられる対応力が求められるのかな、と感じます。

今、池袋は人の流れが増えているし、変わっていると感じています。おしゃれに敏感な人もじょじょにこちらに移り住んでいるという話も耳にしています。

今の池袋は技術、接客スキルの向上させるためにはぴったりの街だと思います。美容師にとってチャンスがたくさん転がっている街ですよ。

 

プロフィール
kauti代表 前田 浩明


板橋のヘアサロンで働きながら山野美容専門学校夜間部へ通い、卒業後は、青山、代官山、池袋のサロンで勤務後、2007年池袋にkautiをオープン。

現在はサロンワークだけでなく、飲食店経営などkautiブランドを池袋に根付かせるための活動を積極的に行う。

 

(取材・文・撮影/高橋 優璃)

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