街の美容室Vol.5 下北沢 brat木本 明良さん

2018.02.23



それぞれの街を代表する美容師さんをインタビューする企画、「街の美容室」。第五回目の街は「下北沢」です。

古着屋、劇場、雑貨屋……東京のサブカルチャー発信地として根強い人気の街です。最近ではサロン激戦区と言われ、さまざまな個性を持ったサロンが軒を連ねています。
今回は下北沢ではトップクラスの口コミ件数を誇る、実力はサロンbratのトップスタイリスト木本さんに下北沢の魅力についてお伺いしました。

 


 

−木本さんが下北沢にくるまでの経歴を教えてください。

地元が千葉なので、最初は柏や船橋で勤務していました。25歳くらいのときに上京を決めて、下北沢の店舗へ。2006年に今のbratへ勤務することになり、縁があって11年勤務しています。

 

−上京を決めたときに、なぜ下北沢で勤務しようと思ったんでしょうか?

当時、古着屋さんブームで下北沢がとっても盛り上がっていて、足を運んだときに雰囲気が好きだな〜、と感じたんです。
もちろん原宿で勤務することも検討しましたが、下北沢の肩の力が抜けた自然体な雰囲気が気に入って下北沢で勤務することを決めました。



−下北沢のサロンにくるお客さまはどんな方が多いんでしょうか?

本当に幅広いです。バンドをやっている人、俳優さんなど下北沢らしい職業の方はもちろん、一般企業で働くサラリーマンの方もすごく多いんですよ。その他には大学生、美容学生……個性がバラバラです。共通しているのは下北沢が好きな人ということくらい。


−下北沢ならではのオーダーもあるんでしょうか?

う〜ん、基本的にはどこの街もオーダー内容は同じかと思いますが、あえていうなら年齢が上の方でもブリーチやWカラーを楽しむ人が多いかもしれません。
さまざまな職種の方がくるので、何にでも対応できる対応力は求められますね。

職種だけではなく、最近は外国人のお客さまが増えましたね。月に10件はコンスタントにいらっしゃるようになりました。

 

−日本在住の方ではなく、観光客ですか?

そうです。近くに民泊をやっているところがあるみたいで、散歩がてら下北沢にも足を運ぶ観光客が増えましたね。
うちの店の入り口にスパイダーマンがいるので、それがきっかけで「このお店はなんだ!」と中をのぞいてくれて、ヘアサロンならついでに切ってもらおうかな、っていう人が多いんですよ。たまに「2年前にここでカットしてもらった」とリピートしてくださる観光客の方もいるので、驚いてしまいます。

このスパイダーマンに見覚えのある人も多いのでは?


−みなさんどんなオーダーをされるんですか?

女性は毛先を整える程度。男性はイメチェンレベルでカットする人も少なくないです。例えばトレンドの刈り上げスタイルをオーダーされることもしばしば。

簡単な英語と希望の写真を見ながらなら、コミュニケーションはなんとかなってしまうものですね(笑)。

 

−話は戻りますが、先ほどお客さまの共通点は下北沢が好きなところと仰っていましたが、木本さんが思う下北沢の魅力はどんなところでしょうか?

そうですね……やっぱりさまざまなカルチャーが集合しているからでしょうか。古着屋も雑貨屋もライブハウスも飲食店もいろいろありますよね。しかも個人店が多いので、おもしろい個性的なお店がたくさんあるんですよ。自分の個性と合うお店に出合えたときの感動があるところが他の街にはない魅力でしょうか。
ヘアサロンに関しても、きちんと個性を打ち出しているヘアサロンが生き残る印象です。安いだけのお店はおそらく続かないんじゃないかな。

−今、安いサロンを求めてジプシーするお客さまも多いですよね?

下北沢のお客さまは安くても”いいもの”をピックアップすることが得意な人たちが多い印象です。そのいいものは古着だったり雑貨だったりしますが、ヘアサロンに置き換えると、自分に合った個性を引き出してくれる美容師がいるサロンが下北沢のお客さまに支持される街だと思います。

ただ安い、普通にオシャレなお店では下北沢では目立たないんですよ。個性がないと目にも止まりません。だから下北沢って、ヘアサロンや飲食店の入れ替わりが激しい街。個が確立していないと、あっという間にお店が変わっていたりするので、厳しい一面もありますね。


−最後に下北沢で美容師をするために必要な心構えがあれば教えてください。

楽しむことだと思います。
本当にさまざまな職業の人が来店されるので、話を聞いているだけでおもしろい方が多いんですよ。接客を楽しめば仕事も楽しくなりますし、そうすれば技術も自然と伸びていくと思いますよ。

 

 

プロフィール
bratトップスタイリスト 木本 明良

ハリウッド美容専門学校卒業後、地元千葉県で就職したのち、25歳で下北沢のサロンに就職。2006年よりbratで勤務開始。現在はトップスタイリストとして後進の育成をはじめ、セミナー講師としても活動している。

 

(取材・文・撮影/高橋 優璃)

  ライフマガジンの記事をもっと見る >>

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング