プリンが美容師を幸せにする? 付加価値を生んだ負けず嫌いな美容師が異業種参入で目指すものーHAIR LOUNGE Soleil 六本木 大野木宏太さん

2019.04.24

 

最近ではカフェや雑貨販売のスペースを併設した美容室も増えてきました。しかし、本格的に食品開発を行なっている美容室はあまり聞いたことがありません。ところが東京・六本木にある「HAIR LOUNGE Soleil 六本木」では店内に工房を設け、こだわり抜いた美味しいプリンを作っているそう。

 

なぜプリンなのか? そして、その目的は? プリンに込められた熱い思いを、代表の大野木宏太(おおのぎこうた)さんにうかがいました。

 


 

腕一本で成功したい! 負けず嫌いな美容師が29歳で独立を決意

 

 

僕は青森県出身で、高校卒業後に上京しました。美容師を目指したのは、腕一本で上を目指せると思ったから。「美容が大好き!」というよりは、技術職という面に惹かれてのことでした。

 

最初に働いたのは、銀座にある老舗美容室で、同期は僕を含めて9人。当時はインターン制の時代だったので、美容師になるには美容室で2年以上働きながら、1年間学校に通って国家資格を取らなければいけませんでした。インターンとして入った老舗美容室はカリキュラムがしっかりしていたので、課題を一つひとつクリアしていかなければならないのですが、負けず嫌いな性分だったこともあり、すべて一番で合格しないと気がすまなかったですね(笑)。

 

3年半ほど修行させていただいた後、渋谷にある大手有名チェーンの門を叩きました。老舗美容室は、客層も美容師も年齢層が高めだったので、当時22歳そこそこの僕は、若いお客さまとも接したいと思ったんです。

 

大手有名店は、当時スタッフが50名以上いて、そのうちスタイリストが17名。その中でもやはり「一番になりたい」と思い、がむしゃらに働きました。25歳で副店長になり、その後、銀座店で3年ほど店長を務めさせていただきました。

 

独立を考えたのは29歳のとき。「今まで以上にスタッフもお客さまも笑顔になれる方法はないだろうか」という気持ちから、自分の力を試してみたいと思ったんです。会社とも折り合いがつき、仲間4人と共に2008年の11月11日に「HAIR LOUNGE Soleil」を六本木にオープンさせました。

 

将来のビジョンと偶然が重なりプリン作りがはじまる

 

 

独立してからは、六本木店に続き弘前店、綱島店、川口店、自由が丘店と店舗を増やし、雇用するスタッフの数も増えてきました。しかもうちは45人のスタッフがいるのですが、男性は3人だけ。ほとんどが女性なんです。

 

女性は子育てなどで一時的に休職して、その後美容師に復帰できないこともありますよね。また、年齢による体力の低下で美容師を続けられない人もいると思うんです。今まで一緒に頑張ってきたメンバーを「どうしたら一生雇用し続けられるだろうか」ということを、常に経営課題として考えてきました。スタッフが活き活き働ける環境を作るために、これまで保育園や託児所付きの美容室も運営していますが、それは必要にかられて行ってきたイノベーションの結果です。

 

プリン作りのはじまりは、2018年の3月に、ふと見ていたテレビ番組でプリンの特集をしていたことがきっかけ。そのとき自分が考えていた「スタッフを一生雇用し続ける」というビジョンと、「新しいものを生んでいかないといけない!」という思いがプリンがリンクした気がしました。それは、例えば時間的・体力的な問題で美容師を続けることが難しくなった人でも、プリン作りや販売、営業、通販サイトの立ち上げ等に関わることができ、その結果プリンという商品もいろんな方に知ってもらい喜んでもられえれば、辞めたり、当初から転職せずに仕事を続けることができると思ったから。そんなことをお客さまに話したら、その番組に出演していた「プリン先生」と知り合いだという奇跡が起こったんです。その後お客さまから紹介していただき、プリン先生こと、濱口竜平さんにお会いすることができました。

 

濱口さんとは、プリンは「卵と牛乳、つまり命そのものと命を育むものでできている」ことや「酪農のありかた」、「アニマルウェルフェア」、「フェアトレード」の話などについてもお話しすることができ、いろいろなことに関心を持つようになりました。

 

話を聞いていくうちに、想像以上に自分のビジョンに通じていると感じたんです。「栄養価が高く内側からきれいになれるプリンで、お客さまの外側からも内側からもきれいにしたい」、そして「おいしいプリンを通じて、お客さまはもちろん、スタッフも笑顔にすることができる」と。「これは今すぐやるべきだ!」と思い、マインドマップを作成して本格的にプリン作りに取り組むことになりました。

 

大野木さんが2018年3月に作ったマインドマップ。

 

具体的なタスクとしては、メニュー開発、保健所への許可申請などの事務手続き、事業計画、資金計画、参入障壁、店内の改装、集客、仕入先、スイーツ市場の調査など。サロンを営業しながらこれらすべてを約半年間で行いました。お店が終わってから夜な夜なプリンを試作していましたね。お客さまに試食していただいて「美味しい」と反響をいただけることが、楽しかったです。

 

ただ、忙しい状況でも仲間たちは応援し、支えてくれました。それに何より感謝しています。

 

>食品添加物、保存料は不使用! こだわりのプリンを完成! 

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