業界内で話題騒然、25歳の経営者が渋谷に誕生。 倍速美容師、AI TOKYO鎌形諒が描く新世代美容室のあり方とは

オープン3週間前に融資も物件もご破算に・・・。

 

 

これまではプレイヤーとしてお客さまに喜んでいただくことを第一に美容人生を送っていましたが、経営者となると、今までとはまったく違う頭の使い方をしなければなりません。

 

コロナ禍で、残念ながら美容室の閉店が相次いでいるということで、それを逆手に割安な物件を探していました。10〜11月にオープンさせる計画で、税理士さんなどに相談しながら事業計画を練り、銀行からの借り入れや物件の内見をしていたのですが、物件の契約当日にとんでもないことが。なんと、銀行の融資と物件の審査両方同時に落ちてしまったんです。オープン予定3週間前のことでした。普通は、銀行の融資が通ってから物件の契約をするという流れがほとんどだと思うので、自分の実力不足なのですが、お金もなければ物件もないという状況はかなりしんどかったです。

 

僕は逆境のときほど生きている実感を感じてワクワクする方なのですが、この時ばかりは正直、胃が痛くなりましたね(笑)。でも、「一緒にやるよ」と言ってくれたスタッフたちの人生を背負っているわけですから、凹んで無駄な時間を過ごしている場合ではない。

 

すぐに知り合いの不動産屋さんに連絡して物件を探してもらい、この渋谷で美容室をオープンできる運びとなりました。

 

 

今は4か月目(取材時)で、サロンを軌道に乗せることができていますが1か月目は本当の自転車操業。もともと手元の資金が少なかったことが大きいです。今考えると、「もっとお金を貯めておけば」とも思いますし、当時のことを思い出すと胃がキリキリしますが、それもまた貴重な経験ができたと、今となっては楽しかった思い出です。

 

AI TOKYOにはコンセプトがない、でも人としてはみんな繋がっている

 

 

AI TOKYOには、これといったサロンコンセプトはありません。なぜかというと、激しく移りゆく今のような時代の中で、お店として普遍的なコンセプトを掲げるのは違うなと思って。サロンにとらわれず、それぞれが美容師として自由であってほしいという思いがあるんです。今は「個の時代」と言われていますし、今の時代の美容師って意外と美容師以外の最終的な夢を持っていたりするんです。さまざまな感性や個性を持ったスタッフが、美容師や会社という枠に囚われずやりたいことをやる。一見バラバラなんだけど、最終的には人として繋がっている――そんなサロンにしたいと考えています。だから、AI TOKYOはスタッフによって得意な技術は違いますし、個性も見事にバラバラ。でも、「いい人」であることが共通点です。

 

 

AI TOKYOの由来は「愛」。スタッフみんなで話し合って決めました。根底には、美容師として一番大切なのは「人間性」という考えがあります。お客さまや周りのスタッフなど、自分以外の誰かのために行動を起こすという気持ちは「愛」にほかなりません。人と人との関係を作る上で一番大切な「愛」を、店の名前にしました。

 

>美容師としても経営者としても「人としてどうあるべきか」で判断すればブレない

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