カリスマ時代を生きたNoz野沢道生氏に突撃! “違和感”さえ感じていた90年代の自分自身を振り返る

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自身を“カリスマ”だと思い込んでいたら姿を消していた

 

 -実際にカリスマ美容師として取り上げられるときの心境はどうだったのでしょうか?

 

「僕だけではないと思いますが、テレビ番組で取り上げられるときは、だいたい『カリスマ』を題材に話を聞かれるんです。けど、そういった特集が組まれる度に、どの美容師もカリスマ美容師と呼ばれることに対して気恥ずかしさを感じていたはずです。自分のことを本当にカリスマだと思ってやっている人は一人もいなかったと思うんですよね。

 

もし、そこで自分の技術に溺れ、『俺たちはカリスマだ』なんて思っていたら、その時代だけは有名になったりお客さまが増えていたとしても、技術とともに成長していなければ10年弱経った今、美容師として残っていないと思います」

 

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全ての軸に“お客さま”が存在する

 

-少し話が変わりますが、元祖カリスマ美容師として時代を牽引してきたことしかり、最近の印象的だった活動の一つに、宣伝車でのPRやテレビCMなどの派手なプロモーションがありました。これらを展開した背景や、なにかポリシーのようなものはあったのでしょうか?

 

「一番の目的としては、早く一流のサロンとして認知してもらいたかったからですね。しっかりとしたブランディングを短いスパンでやるには?と考えたとき、やはりテレビCMや宣伝車かな?と思ったんです。あくまで、ブランディングの中の一つの手段として行ったことでした。

 

ただし宣伝の内容は、常にお客さまを中心に考えることを意識し続けました。お客さまを“キレイにする”、“際立たせる”という意味で“白”をイメージづけることも大事にしましたが、まずお客さまに自分のお店を信頼してもらい、その次に素敵な空間でキレイになってもらいたい、ということを全面に押し出したんです」

 

-なるほど。カリスマ美容師ブーム当時と、今の野沢さんの思いが変わらないのは、“お客さま”というブレない軸が鍵になっているのかもしれませんね。

 

「はい。プロモーションもそうでしたが、今後、サロンワーク以外のヘアケア商品の新しい開発やヘアメイク、誌面撮影などの仕事をしていくとしても、“お客さまのために最善を尽くす”という考え方だけは美容師を続けていく上でずっと変わらない、自分の核となる部分ですからね」

 

プロフィール
Noz GROUP CEO
野沢道生 (のざわ みちお)

カリスマ美容師ブーム時代から次々と流行ヘアを生み出してきたトップスタイリスト。表現力の高さから「似合わせの達人」と呼ばれ、数々のタレントやモデル、著名人のヘアを手がける。サロンワークを基盤に、オリジナル商品の開発やセミナーなど、世界に向けて美容技術を発信し続けている。

 

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(取材・文/QJナビ編集部)

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