アイデザイナー高山直子を作り上げたのは、大きな挫折だった。【前編】

アイラッシュ業界の低価格は、技術の低下を招く!?

 

 

しかし、今は渋谷をはじめ、銀座や池袋など合計5店舗を経営。

「これ以上はお店を増やす予定はありません。全て自分の目が届く範囲でやっていこうと思っています」

短期間でここまで拡大できた理由のひとつに技術の高さが上げられる。

 

「私のサロンはオーナーの私や新人を含めて料金が一律なんです。TOPやJr料金がありません。その代わり、通常1ヶ月半でデビューするのが普通のところ、うちは平均半年とデビューまでが長く、面接に来てくださる方にも『うちは厳しいです』と必ず伝えます」

 

お客さまからお金をいただく以上、技術に妥協ができないと言います。デビューが長いこと=初期投資がかかってしまうことも織り込み済みで採用をしているんだとか。

 

 

「私のお店ではどのスタッフにやってもらっても安定したクオリティを提供したいんです。今、マツエクサロンは価格競争の波に飲まれ、技術の差が広がっている現状にあると思います。業界に携わるものとして、大事な目元を預かっている仕事にも関わらずアイデザイナー全体の技術レベルが低下してしまわないか危惧しているんです。

 

アイラッシュデザイナーとして従事するのであれば、クオリティの高い技術が身に付くサロンを選ぶべきだと思います。

 

私のお店にきてくださったお客さまは、技術の高さに感動して、安い価格ではないにも関わらずリピーターになってくださる方がほとんど。

そういった現状を考えると、やっぱりうちは技術の高さを提供して喜んでもらいたいんです」

 

オーナーとしてだけでなく、マツエク業界の現状についての話になると、大きな瞳の黒目が、ずっしりと重たくなるように見えたほど、まっすぐ真摯に語る高山さん。

 

後編ではオーナーとしての心持ちや、女性としての在り方などについても語っていただきました。

 

>後半につづく

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プロフィール
株式会社Fraisier
代表取締役CEO/高山直子(たかやま なおこ)

1984年9月25日生まれ。グラムール美容専門学校卒業。

14歳でスカウトされ、美容業界誌やサロンでモデルをはじめ、読者モデルとして人気雑誌で活躍。美容専門学校に進学し美容師免許を取得。ヘアサロンに就職したのち体調不良で美容師を離れ、マツエクの技術者に転身。2011年、東京・渋谷にまつ毛エクステ専門店『Amelie』を設立。現在は、「Frele」(銀座)「Reine」(池袋)「Cachette by Amelie」(渋谷)「Ami」(立川)「merci」(大阪)の6店舗を展開。

(取材/高橋 優璃・撮影/金田 裕平)

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