“いちごの乱”を巻き起こす人気の秘密を大解剖。「好き」と「直感」で突き抜けるICHIGO流アイビューティへの挑戦と、”見られる仕事”の最適解
世の中にないニーズのあるメニューでバズる

――ICHIGOさんが美容師からアイリストになった経緯や、アイサロンが人気店になるまでの流れは前編で語っていただきました。サロンで展開するメニューにも工夫があったそうですね。
ICHIGO:世の中にないメニューを作ろうと思って、アイラッシュの「1000本コース」を作りました(笑)。当時来てくれていたデパートのスタッフはそこまで派手な目元にできないですが、キャバ嬢は本数命。なので、インパクトのあるメニュー名にしたんですが、それがバズりましたね。みんな1000本コースのオーダーになりました。
森越:世の中にないニーズを拾う力って大事だよね。スタッフはいつ頃から雇い始めたんだっけ?

ICHIGO:1年間は一人経営で、そのあとから一人では対応しきれなくなってきたので、雇うようになりました。夜11時までの営業だったんですけど、結局いつも2時頃まで仕事してたんですよ。「子供を寝かしつけてから行きたい」とか、「夜12時から行きたい」というお客さまもいたので。千葉駅近くのマンションの一室をサロンにしていたので、同じマンション在住者もお客さんとして来てくれていました。毎日15人くらい来店してましたね。

ICHIGOさんのこだわりを詰め込んだROYALは2024年11月オープン

営業時間は朝8時〜夜22時まで。忙しい女性でも通いやすい
森越:売り上げも良かったんだよね?
ICHIGO:当時、アイラッシュ業界の売り上げは60〜70万が最大値だったんですが、私は1年足らずで120万を超えてましたね。コロナ前はスタッフ3人で営業していたんですが、それでも予約がいっぱいで。なかなか予約を取りづらいので、常連のお客さまはみんな5回先まで予約を取ってくれてました。

店内には撮影スタジオも併設。とことん美を追求できる環境に
コロナ禍は、アイラッシュ世界大会に挑戦
――2020年の緊急事態宣言が発令されたときは、サロンを早くから閉めていたそうですね。
ICHIGO:家族と暮らしているスタッフがいたので、うちは緊急事態宣言が始まる前から2カ月間サロンを閉めました。その間、毎日暇だったのでアイ業界のことをいろいろ調べていたんですね。そしたらアイラッシュの大会があることを知って。時間を持て余していたから、私も出てみようかな?と参加したら、優勝したんですよ。

森越:え、優勝したの!?
ICHIGO:そうなんです。そのあと、国内でもうひとつ大きな大会があったので全項目で参加したら、全て優勝してグランドチャンピオンになっちゃって。
森越:めちゃくちゃうまいじゃん(笑)!
ICHIGO:そのあとイギリスで開催される世界大会があって、日本人が3人出場したんですね。私以外の2人は講師をされている方で、私はただの無名のチャレンジャー(笑)。でも、私が優勝しちゃったんです。

森越:世界レベルだったのか(笑)
ICHIGO:そこから大会の審査員も頼まれるようになったんですけど、うちのスタッフもほぼ全員が大会で受賞していて、トロフィーの重さでサロンの棚が壊れました(笑)。
森越:スタッフの技術教育レベルも高そうだね。
ICHIGO:私、教えるときは肘の角度とか動き、座る位置とか距離感も細かく教えてますね。早くて仕上がりが綺麗なのが技術力なので、そのためのコツもしっかり伝授しています。今はスタッフが10数人いるんですけど、社内コンテストも定期的に実施しているんです。プロカメラマンとモデルを呼んで、ヘアアレンジやメイクもして、衣装を集めてイメージ撮影会をするんですけど、アイ業界だからといって目だけの写真にしたくないんですよ。”美”はトータルビューティなので、お客さまが見て「かわいい」と思ってくれる写真を作りたくて。
森越:それも新しい試みだよね。アイリストでありながらも、ヘアアレンジをする機会もあるんだ?
ICHIGO:そうなんです。なので、学生時代のキャバクラでのヘアメイク経験が、そこでも生かせるんですね。うちが目指しているトータルビューティに魅力を感じて、入社してくれる美容学校生もいるんですよ。
森越:ICHIGOさん、本当に面白い。これからもデジサロ含め、連携しながら美容業界を盛り上げていきましょうよ。
ICHIGO:ぜひぜひ!いろいろ教えてください。

――お二人とも本日はありがとうございました!最後に、ICHIGOさんの名前の由来を教えてください。
ICHIGO:骨折して実家にこもっていたときに、母が買ってくる朝採りいちごを大量に食べていたら6kg太ったんです。そのエピソードをSNSで発信したら、あちこちでメンションされて広がって。いつの間にか「いちごちゃん」と呼ばれるようになってました(笑)。
森越:最後までおもしろエピソードが満載!(笑)
(文/織田みゆき 撮影/松林真幸 MIKAN inc)