LONESS片山良平×FILMS若林紀元 気鋭のオーナーが語る「サロン経営のNEW BASIC」

2022.10.26

 

 

 

東京の美容業界で存在感を発揮しているLONESSとFILMS。「お互いの経営論を聞いてみたい!」ということで、片山良平さんと若林紀元さんの対談の機会をQJナビDAILYがセッティングしました! スタッフが正社員として定着し、長く働くことができる2つのヘアサロンの共通点とは? ヘアサロン経営に興味がある人必見です。

 


 

プロフィール

LONESS/オーナー

片山良平(かたやま りょうへい)さん

名古屋美容専門学校を卒業後、渡英、帰国後に表参道有名店でクリエイティブディレクターを経て、2016年に本田治彦氏とともに独立。「今までの日常をブラッシュアップさせる」をテーマに、技術だけでなく空間にもこだわったコンセプトサロン『LONESS』を表参道にオープンさせる。2019年には2店舗目となる『LONESS ginza』をオープン。サロンワークを中心に一般誌、業界誌の撮影、芸能関係のヘアデザイン等で幅広く活躍している。

 

FILMS 代表

若林紀元(わかばやし のりもと)さん

山梨県出身。東京マックス美容専門学校卒業後、山梨県内のサロンに勤務。上京し、ZACCを経てBelleで店長などの要職を経験。

2017年9月1日に、銀座にFILMSをオープン。東京、千葉に6店舗を展開中。年明けには横浜店をオープン。9月に美容師として一線を退き経営に注力。FILMSでは主に経営戦略、財務を担当。

 

 

ミッション・ビジョン・バリューが経営の根幹

ミッション、ビジョン、バリューとは、ピーター F. ドラッカーによって唱えられた企業の経営方針や経営指針に対する考え方

 

編集部:早速ですが、美容業界の若手オーナーであるお二人が、サロン経営で大切にしていることを教えてください。

 

若林:FILMSは「『記憶に残る』を創造し、未来を叶える」という経営理念を軸に据えています。お客さまに対してはもちろん、スタッフにも感動する体験を与えたいし、望む未来を叶えることもミッションだと思っているんですよ。美容師って将来が不安な人が多いですよね。僕もそうでした。30代も40代もそれぞれ悩みがある。だから不安を払拭しながら、安心して働き続けられる環境づくりにこだわっています。

 

 

片山:めっちゃいいですね。LONESSも「一人ひとりがなりたい自分になれる場所」を理念に置いています。これはお客さまのなりたい姿を叶えるのもそうだし、スタッフ一人ひとりが「なりたい自分」を叶えてほしいと思っているんです。それをバリュー(価値観・行動基準)に落とし込んでいます。

 

サロンのミッションとして「美容業界で輝き続ける人材を輩出し続けるサロン」を掲げています。サロン内で頑張ってもらうだけではなく、美容業界に貢献できるような技術も志も高い人材を育てたいんですよ。

 

若林:それは素晴らしい。スタッフも未来が描けていいですね。

 

 

片山:アシスタント時代から黙々と技術をやるだけじゃなくて、どうやってミッションをクリアするか意識すると成長速度が全く違うと思うんですよね。

 

そもそもスタッフが輝いてないと、お客さまのリターンもないと思うんですよ。だから、スタッフが高い志を持って伸び伸び働ける環境をつくるのが僕らオーナーの仕事だと思っています。

 

 

 

技術だけじゃなく、人間力を磨くためにしていること

 

 

編集部:一般的には、ミッション・ビジョン・バリュー(以下MVV)が頭のなかに入っている美容師さんのほうが少ないような気がしますが、お二人のサロンではどんな風にして浸透させているんですか?

 

若林:会社の価値観を「自分ごと」にする機会をつくっています。例えば、朝礼で「記憶に残る接客」について話したり、「自分たちにできる社会貢献ってなんだろう」と話したりしています。特に幹部たちは、自分たちがバリューに沿った行動ができているのか、自省する習慣があるんですよ。

 

 CSR活動(企業としての社会貢献活動)として、古着をワクチンに替える活動やカラーチューブをリサイクルしているのですがこれもスタッフのアイディアです。

 

 

片山:それは美容師としてだけではなく、人としてめっちゃ素敵な行動ですね。

 

若林:最初の頃は、「なぜ今自分がここにいるのか、どんな人生を歩んできたのか」を話す「自分史」という取り組みもしていました。

 

片山:面白いっすね、それ。

 

若林:結構心を揺さぶられるので、「自分史」を話す方も聞く方もみんな泣くんですよ。そうやって、お互いのことを深く知っているからこそ、チームとして強くなる。そういう取り組みが進化して、今はCSR活動になっているという感じですね。

 

片山:ウチもバリューと行動を結びつけることを意識していますし、四半期に1回の全体ミーティングで、改めてMVVについて考える議題を用意しています。そこで、みんなでディスカッションするんです。あとは評価もMVVに紐づけて、みんなでお互いに行動を評価する取り組みを去年からスタートしました。

 

そもそもミッション・ビジョン・バリュー(MVV)って必要ですか?

 

 

編集部:MVVなんて必要ないからとつくっていないサロンも多いと思います。どうして必要なんでしょう?

 

片山:みんな生まれも育ちもバラバラで、LONESSに入ってきていますよね。それぞれの個性を生かしつつ、「LONESSのメンバーとしてどういう立ち居振る舞いをするか」って、すごく大事なことだと思います。それがサロンとしての色や魅力につながるわけですから。それに、バリューは価値観であり、判断軸です。スタッフが自律的に働く上でも、LONESSとして共通の軸がないと、バラバラになってしまいますよね。

 

 

若林:MVVの有無は、美容師の延長でサロンをするのか、それとも企業としてやっていくのかの違いかなと思います。企業としてやるのなら、絶対に必要なんですよ。なぜなら、MVVをつくることは、「どういう考え方に基づいて、どういう道を進んでゴールを目指すのか」を明確にすることだからです。

 

ただ単にヘアサロンをやるのであれば、普通にお客さまにリピートしてもらえる技術と、Instagramやホットペッパーのノウハウを持っていればうまくいくと思います。別にどちらが良い悪いではなく、価値観の違いかなと。僕たちは会社として成長して、スタッフの夢を叶えたいから、その道筋をあきらかにしているだけのこと。逆にいうと、MVVを達成するためだったら、ヘアサロンだけにこだわる必要はないと思っていて。手段として美容がある、という感じですね。

 

片山:それはウチも同じかもしれません。

 

編集部:FILMSは横浜にも新店舗を出すんですよね。店舗が増え、スタッフが増えることによってFILMSらしさが薄まってしまう心配はありませんか?

 

若林:もしも1店舗だけでやると決めていたら、僕らのMVVを達成できないんですよね。みんなの居場所をつくるというビジョンとも矛盾してしまう。だから、スタッフの将来を見据えて、出店を考えていきたい。僕だけではなく、幹部やマネージャークラスがいかにMVVを現場に浸透させられるかがこれからの課題です。

 

>LONESSで月売300万円が当たり前なワケ

 

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング