二人目のお悩みは？

＜ペンネーム：シュガーさん／23歳女性／アシスタント＞

最近サロンを変えようか迷っています。新卒で歴史の長いサロンに就職して３年目になります。保守的な雰囲気がある職場ですが、守られているという安心感もあって。若いうちに最新デザインや技術を学びたい気持ちがあるけれど、スタイリスト目前で辞めると、また一からアシスタントをやり直すことになるし。踏ん切りがつかず、悩んでいます。

X：老舗サロンで、あと一歩でスタイリストデビューというシュガーさん。「せっかくここまで頑張ったんだし」と思うと、転職に二の足踏んでしまうのでしょうね。

かとし：サロンそれぞれにシステムがあるんだと思います。例えば僕は複雑履歴のあるお客さまを専門に引き受けていますが、サロンによっては施術NGで、お断りしなければいけなかったりします。もし何かトラブルがあったら会社が責任をとらなければいけないし、施術に必要な材料が揃っていない場合もあります。また僕の場合は、施術に５、６時間かかるのはザラなのですが、そうなると長時間滞在することになるので、その後に来られるお客さまと予約が被ってしまう。特に老舗の大きなサロンでしたら、この時間には絶対に返さなきゃいけないという決まり事もあるかもしれないですよね。

X：確かに。サロンによっては、イレギュラーなメニューに対応できないかも。新人スタッフなら、余計に会社に対して要望を伝えづらいし、現場で気を遣ってしまうのかしら。

かとし：REDEALでパーマや縮毛矯正はやってないように、サロンごとに対応できるメニューが違うはず。だからシュガーさんが新しい技術を学びたいために転職を考える気持ちも理解できますね。

もしシュガーさんが、ブリーチをやっていきたいという方だったら、まず材料を揃えるところから始まるので。少し前まではオキシはどのメーカーも一緒、カラー剤もそんなに変わらないような風潮があったかもしれないけど、ここまでカラーが進化した今、それぞれのメーカーで特徴がすごく違うんですよね。この施術に向いている、向いていないとの差があります。全ての材料を一式、個人で揃えるには限界があるかなと思います。

余談ですが、僕が美容学校生時代、美容の材料屋さんでアルバイトをしていたんです。売っていく相手は美容師さんか学生さんなので、ちゃんと商品を説明できなくてはいけなくて。そのため、いろんなオキシやカラー剤などを試しまくっていました。デザインカラーの提案においては、薬剤勝負な傾向があることも否めないので、薬剤知識はマストです。

X：なるほど。自分が学びたいデザインがあるのなら、それに強いサロンで働くことが近道ということですね。ですが、スタイリスト前の転職ですからねー。

かとし：逆にスタイリストデビュー後に、すぐ転職できるかとなると、お客さまが付いた後なら余計に難しいかも。これは僕の視点ですけど、自分がスタイリストになるということは一旦横に置いて、早めに切り替えるのがいいと思います。転職の機会をずっと伺っていると、機会も逃して、そのまま動きづらくなると思うんですよね。

X：スタイリストデビューしたい時期は人それぞれで、早くデビューしたい人もいれば、じっくり経験を積んでからという人もいますし。話が脱線しますが、かとしさんの場合は11カ月という早いタイミングでしたけど、最速デビューは元々狙っていたんですか？

かとし：美容学校時代はしっかり技術を習得して、一通りのアシスタント期間を経てデビューできるようなサロンで働こうと思っていたんです。でも学生時代に独学でカラーを勉強するようになったら、完全にカラーにハマッてしまって。早くデビューして自分の力を試したいと思うようになって。それで今のサロンに行き着いたんですよ。

X：目の前のことを一生懸命取り組んでいた結果、新たな道がひらけたと言うことですね！　本気度によって、どんな結末を迎えるのか分からないですね。

かとし：もしシュガーさんが「お客さまに喜ばれる仕事をしたい」が最終目標なら、今のサロンでも実現可能ですし、転職する必要はないです。でも「この技術をやりたい」ということなら、転職することが一番現実的なように思えます。

X：今はオンラインなどでもいろんな技術を学べますからね。かとしさんのようにまずは独学で取り組んでみる道もありますよね。

かとし：はい、十分可能です。シュガーさんの学習成果が勤務先サロンに認められれば、また新しい境地が開かれるかもしれないですし。ぜひ頑張ってください！

＞三人目のお悩みは？　ーコミュ力不足に不安を感じるクロさん－