人材不足の時代に、あえて3年制に踏み切った理由。東洋理容美容専門学校が考える、業界貢献の新しい姿

 

千葉県の東洋理容美容専門学校が今春から3年制をスタートさせます(※希望者のみ)。美容師の志望者減少やサロンの人材不足が叫ばれる中で、あえて学生期間を延長した理由はどこにあるのでしょうか。理事長であり、週末は現役の理容師としても活躍している柴入裕一(しばいりゆういち)さんにお話を伺いました。

 


 

将来設計をするためのプラス1年間にしてほしい

 

−なぜ3年制を導入することにしたのでしょうか?

 

 

一番は、学校で即戦力を育てたかったからです。学生たちがある程度の知識と、基礎技術を得て卒業すれば、どんなサロンに行っても対応できるだろうと。現状の2年制だと、教科書の内容を教えるだけで精一杯というのが実情です。コンテストに向けての練習などもありますし、学校で教えられることというのは、時間的に本当に限られているんですね。

それともう一つが、学生のうちから将来設計をきちんと考える時間をつくってほしいというのも狙いです。特に近年では若くして独立する美容師も増えてきていますので、独立志向の強い学生にはウェブマーケティングやサロン経営のノウハウを勉強させたいという思いもあります。

 

 

現状で当校では、アドバンスドコースといって美容師・理容師のWライセンスをとるコースが3年制であるのですが、これは結局、2つの免許を取るためだけに3年間学んでもらうものなので、免許取得のための勉強になってしまいます。その後の勉強やサロン選びは自分でどうにかやるしかない。私たちが本当にやりたいことというのは、免許を取った後に学生がどうすべきかを伝えること。大きく言えば、人生設計をアドバイスしたいと考えているんです。実情では、アシスタントも終わらないうちから美容師をドロップアウトする卒業生もいるんですよね。お店が合わないとか、教育方針が合わないとか、人間関係が微妙とか、いろいろな理由で辞めていきますが、根本の問題は将来設計ができていないからだと思うんです。将来が見えないから、他業界に移ってしまう。でも自分の明るい将来が見えていれば、グッと堪えてもう少しがんばれるはず。卒業生にはなるべく業界から離れてほしくないから、3年制にすることでなんとか道筋を見つけてもらいたいというのが本音です。

 

>在校生も、卒業生も、ずっと学べる場所がこの学校であるべき

 

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