特集「海と美容室」-2nd STORY「島の美容室」を巡る、美容師の幸福論

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「お洒落な髪型ですね、どこで切っているんですか?」

 

沖縄県那覇市の北西58kmに位置する、周囲12.5kmの小さな離島「渡名喜島」。沖縄県のあるプロジェクトで離島を巡っていた写真家の福岡さんは、島の小さな食堂で小洒落た髪型をしているお店のおかあさんに思わず声をかけてしまったそうです。

 

「『どこで切っているんですか?』と聞いたら、福田さんという美容師の方が内地から島に来て、切ってくれていると言うんです。それまでは島に美容室がなかったから、本島まで髪を切りに行かなくてはならず、不便な思いをしていたそうです。それを聞いて、福田さんに興味が湧いて、美容室を訪ねてみました。そこで出会っていなければ、この作品はなかったですね」

(福岡耕造氏 以下同)

 

毎月、茨城県稲敷郡から沖縄の渡名喜島に通い、島民の髪を切ってあげている福田さん。ひと目で、その人柄に惹かれた写真家の福岡さんは、福田さんの『島の美容室』を作品のテーマにすることを決めました。

 

「なにがすごいって、6年間、毎月10日間島へ通い続けているということ。渡航費用も全部自腹で、そんなに儲かりもしないのに、普通の人はできないでしょう」

 

24歳で地元で独立開業した福田さんの美容室は、バブル景気の影響もあり、ピーク時には土浦を中心に数店舗まで拡大。賞も受賞し、学校でも教鞭をとったりと、第一線で“成功”を収めていたと言います。

 

「歳を重ねるにつれいろいろと考えたみたいですね。儲かれば店増やして、いい車に乗って、いい家に住んで。そういった生活を楽しんでいる人もいるのでしょうが、たぶんそれが福田さんには重要なことではなかったんでしょう。欲がないわけではないと思うんだけど、福田さんは人と違う価値観で自分にとって最高なものを見いだせたのではないでしょうか。たまたまいった島に美容室が無くて、そこで苦労して美容室開いたら島の人に喜ばれて。最高の人生ですよね」


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