内田聡一郎のsoucutsラジオ vol.10 令和時代の人の育て方

情報処理力の社会から、情報編集力が求められる社会へ

 

次は「アクティブラーニング」ですね。これはセミナーなどでもよくお話しています。僕の好きな教育者に元リクルートで今は校長先生をしている教育改革実践家、藤原和博さんという人がいます。この方が書いた本に『必ず食える1%の人になるための方法』があり、そこに書かれている内容が、僕が教育や組織を考える上での一つの答えになっています。藤原さんが繰り返し述べているのは、「情報処理力の社会から、情報編集力の社会になっている」ということ。

つまり、正解のない社会において、最適解を生み出せる人しか残っていけないと。さらにいうと、仮説を立てられる人、仮説を立ててから検証する力がある人が残っていく世の中になっていくよと。簡単にいうと、アクティブラーニングという手法で、そういう人間を育てていこうよっていう考え方なんですよね。

1+1は2だよ、みたいに一つの正解を導き出すとか、主人公の気持ちを考えよう、主人公の気持ちはこうですよねって先生が正解不正解をつけるんじゃなくて、どちらかというと自分で問題提起して自分で創造的に解決していくことが大事になってくるよねという話です。藤原さんの本は、めちゃくちゃいいのでぜひ読んでほしいなと思います。

 

Z世代の力を引き出す「ティール組織」

 

最後はティール組織ですね。最近特に若い人を中心に構成された会社とか、大手企業でも一部取り入れられている考え方です。いわゆる若手世代、18歳から23歳くらいのZ世代と呼ばれる人たちの特徴を捉えた上で、いわゆるフラットな組織づくりをしましょうと。

例えば、幸せのあり方は人それぞれだよねとか、情報化社会の中で意思決定を早くしていこうとか、多様性を意識して、その中で自分らしさを追求していこうみたいなことを念頭に置いた組織を目指そうっていうのがティール組織ですね。

いろいろと難しいことを言ったかもしれないですが、アクティブラーニング、STEAM教育、ティール組織が、LECOをつくる上でのベースになっています。詳しく話すと長くなるので、ぜひ本を読んでみてくださいっていう話なんですけれど。

 

個人を尊重して絶対に否定しないのが内田流

 

でね、ここまで話したことを簡潔にまとめると、美容室経営において何が大事かというと、個人の意識を尊重して絶対に否定しないってことだと思っています。一番やっちゃいけないのは、精神論でクドクドとトップダウンすること。

成果に対して明確な評価をすることや報酬をしっかり与えることも大事。フラットな組織を意識して、みんなを信頼して任せてみる。みんなに感謝するってことも僕はめちゃくちゃ意識しているんですよね。

正直、美容業界って昔の固定観念のまま変わらない会社もあると思うんですよ。そういう会社は2020年代、令和の時代に間違いなく衰退するんですよね。能書き垂れてなにもしないオーナーとか、下の人に偉そうにしている店長とか、そういう人たちも絶対に衰退していきます。

常に教える側の人間が未来を想像して、スピード感を持って意識決定していくことを大事にしているし、今やれることをコツコツやりながら、ときに大胆に変化していくことも欠かせないと思う。そして、ちゃんと会社の方針を投影していく組織、教えられる教育を目指しています。

僕もね、今はまだ本の受け売りで話している部分も多いので、もっと深く掘らなきゃいけないと思っています。僕も頑張るので、みなさんにも参考にしていただければと思います!

 

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プロフィール
LECO 代表
内田聡一郎(うちだそういちろう)
2003年より原宿のサロンでトップディレクターとしてサロンワークをはじめ、一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイク、商品開発など様々な分野で活躍。2018年 渋谷にLECOをオープン、2020年 セカンドブランドQUQUを2021年LECO öbenオープン。代表として今後一層の活躍が期待されている。著書「自分の見つけ方」(2013年)、「内田流+αカット」(2017年)、「内田本」(2018年)を発売。また、シザーやシザーケースなどのオリジナルプロダクトも発売中。
2019年12月から若手美容師にエールを送るsoucutsラジオを始動。

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