最高峰のヘッドスパを世界へ!ヘッドスパアーティスト・山﨑達也のZUDO(頭道)とは。芦屋から東京に拠点を変え、さらなる高みを目指す!

 

次のステージに上がる前に起きたこと

 

――ヘッドスパの場合、オーダーメイドの構築も難しそうですが。

 

これはセミナーでも伝えているのですが、僕らの仕事はものさしが長ければ長いほどいいんですね。いわゆる”カリスマ美容師”と呼ばれる方々は、その幅がすごく広いです。カラーやストレートなどは、この髪の毛なら軟化7分とか、10分とか、繊細に調整しますよね。でも、ヘッドスパは一切それがなかったんですよ。その答えを作っていけばいいんだと思ったので、そのものさしを僕は広げていきました。そしたらオーダーメイドの幅が広がり、技術がより繊細なものになってブラッシュアップしていけたんです。それによって、意識が高いお客さまが自然と増えていきました。




 

――2017年に東京サロンを立ち上げたのは、お客さまからのご要望が多かったからなんでしょうか?

 

それも確かにありますが、芦屋でお客さまの予約が3ヵ月先まで埋まるようになってきたときに、不安感が現れ始めたんですね。当時、年間60本セミナーをしていましたし、なりたかった自分に近づいている実感はあったんですよ。でも、埋まった予約表に2箇所の空欄を見つけると、そこから崩壊するんじゃないかという気持ちになってしまって。もちろん、それは錯覚なんですよ。90%の予約が埋まっている状態は感謝しかないはずなのに、恐怖が生まれる。そこで、環境を変えてみようと思ったんです。たまたま前職の後輩がサロンを退社するというので、「僕が店を作るから、全てを任せたい」と提案したところ、喜んでくれて。人を雇用する難しさも学んでおきたかったので、芦屋に美容室『Hi-Five(ハイファイブ)』をオープンしました。


カット、カラー、パーマなどのメニューも展開する芦屋のHi-Five

 

そのあとコロナ禍になって、2021年になったときに、ふと「東京でやろう」と思い立ったんです。それで東京・白金のマンションの一室で、毎月1週間だけ営業する東京サロンを始めました。完全紹介制で住所非公開、予約はLINEのみです。そこに、あるとき放送作家さんが来てくださって、その方のご紹介で予約が止まらなくなりました。そして昨年、東京タワーが見えるビルの一室をリノベーションして、本格的に上京したんです。芦屋の店は僕が育てたスタッフに完全に任せて、今は2ヵ月に一度のペースで戻り、長年の顧客さまを2日ほどかけて施術させていただいています。






夢だった海外活動が、次々と現実に

 

――山﨑さんは、芦屋時代から積極的にセミナー活動していますね。

 

そうなんですよ。この経緯も面白くて、ニューヨークで活躍していた日本人美容師のセミナーが大阪で行われて、何度か参加させていただいたことがあったんですね。それで、その方にSNSを通してメールを送って、ニューヨークに行くので見学させてほしいと伝えたんです。そこから現地在住の日本人美容師さんたちとのご縁が繋がって。さらにメーカーさんと繋がったんです。

 

今は、メーカー2社と僕の”3本の矢”で、日本独特のヘッドスパという文化を世界に広めるべく活動をしています。日本で産まれた技術ですから、トップランナーとして積極的に発信していきましょうということで、頑張っているところです。






――オーストラリアでは、アカデミーも設立したとか。

 

昨年スタートしました。SNSを通じてオーストラリアでヘッドスパが広がり、反響も大きくてありがたいなと思っていて。僕のインスタを見て、初めてオーストラリアでヘッドスパサロンを作った女性がいるんですが、その方が広めていきたいということで、現地でのアカデミー設立に至りました。先日、有名女性誌で僕らの記事が特集され、メディアも注目してくれていて。ヘッドスパが広がっていくのは、すごく嬉しいですね。

 

アカデミーのコースは「ベーシック」と「アドバンス」があり、僕はアドバンスを教えています。3回コース、5回コースになっていて、次は4月に渡豪する予定です。年に34回開催できたらいいなと思っていて。海外の方にとっては未知なる技術なので、入り口は簡単にすることを心がけています。お客さまをハッピーにできて、マネタイズできる技術であることを伝え、あとは技術でやってはいけない5つのことをしっかり伝えています。僕は「ZUDO(頭道)」を提唱していますが、受講された方がサービス提供するときに、ZUDOや僕の名前はうたわなくていいと思っているんです。それぞれのオリジナルで、好きなようにやっていただければと。ヘッドスパを広げていくことが、僕の目的でもあるので。






――今後、ますます海外でのセミナー活動が広がりそうですね。

 

それを目指しています。ありがたいことに、今は海外のセレブリティのご自宅にも定期的に呼んでいただいているんですが、現地にエージェントもいるので、一緒にヘッドスパを広めていけたらと。国内では複数の美容メーカーのアドバイザーにも入っていて、いろんな仕事をさせていただいています。さまざまな角度から、ヘッドスパの活動に取り組んでいけたら。僕がしていることは教科書がないので、とにかく今は走れるところまで走っていこうと思っています。そして、美容業界にいいムーブメントを起こし、恩返ししていきたいです。

 

プロフィール
山﨑 達也(やまさきたつや)/『BOLANGE』代表・ヘッドスパアーティスト
1983年、兵庫県生まれ。大学在学中にル・トーア東亜美容専門学校通信過程で美容師免許を取得し、卒業後は芦屋市内のサロン2店舗を経て、2014年、同エリアにエグゼクティブヘッドスパ専門店『BOLANGE』を出店。2017年には東京サロンもオープン。美容家や著名人に多数顧客をもつ。「ZUDO(頭道)」を提唱し、大手メーカーの技術監修や国内外でのセミナー開催など、技術教育にも注力。オーストラリアで「atama Academy」を運営するほか、兵庫・芦屋にヘアサロン『Hi-Five』を経営。著書に「ヘッドスパのベーシックからアドバンスまで NEWスタンダード・ヘッドスパ」(ヘアモード社)がある。
Instagram:@bolange.official

 

(文/織田みゆき 撮影/宮崎洋)

 

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