ダメ出しから始まった美容人生! VeLO/vetica、LECOで浴びた叱咤激励 LECO 小林賢司のコトダマ
第一線で活躍する美容師の人生を変えた「恩師の言葉」を紹介する「美容師のコトダマ」。今回は、LECOの代表、内田聡一郎さんの右腕的存在であり、ムードメーカー。イラストレーターという顔も持つ多彩な人、小林賢司さんです。前職の『VeLO/vetica』時代から、名実ともに優れた美容師に囲まれて育ってきた小林さんが、どのような言葉を浴びて成長してきたのか教えていただきました。
衝撃だった「切らせて?」の返事 「一生、同じ人に切ってもらうから無理だわ」
僕は美容専門学校を出てからしばらくフリーターをしていました。一応、美容師免許は持っているから、友達に「いつか髪を切らせてよ」と言ったことがあったんです。すると返ってきた返事が「一生、同じ人に切ってもらうから無理だわ」と。それを聞いてびっくりして。
というのも普通、社交辞令で「今度切ってね」と返ってくるはずじゃないですか? しかも、「一生切ってほしいと思える美容師ってどういうこと?」って思ったんですよね。
よく話を聞いてみたら、その人は、中学生のころからずっと赤松美和さん『VeLO/vetica』に髪を切ってもらっていたんです。
どんなすごい美容師なんだろうと思い、赤松さんを指名して切ってもらいました。もちろん、めちゃめちゃ良い感じの髪型にしてくれました。
ただ、すごく印象的だったのが、これから何をするか話していたときのこと。家族がニュージーランドで暮らしていたこともあって、海外に行く機会が多かったので「海外にでも行きたいっすね」と僕が言ったら、「君、日本で何もしてないのに海外で成功するわけないよ」って言われたんですよ。この言葉は効きました。
軽い気持ちで海外に行くって言ったんですけれど、見透かされていたなと思いました。そういう背景があって、僕も『VeLO/vetica』で働きたいと思うようになったんです。
心の師匠、赤松美和さんの言葉「ロックに生きなさい」
『VeLO/vetica』で働いているとき、赤松さんによく言われたのは、「ロックに生きなさい」という言葉。
「この会社にイエスマンはいらない」「それはロックじゃない」とか、いろんな言葉をかけられました。逆に「ロックだね」って褒められた記憶はないんですけれど(笑)。
あるとき、「これ読みなさい」と、忌野清志郎さんの『ロックで独立する方法』(太田出版)という本をぱっと渡されたことも。僕がロックな人間になるためのサポートをしてくれました。その本は今も読み返すことがあります。
美容師として唯一無二でありたい、信念を貫きたいという気持ちを植え付けてくれたのが、「ロックに生きなさい」という言葉です。