美容師21年目。もっと上手くなりたい。もっと深く知りたい。―MAGNOLiA DAISUKEさんの習慣―
手間をかけて、感覚を磨く

音楽と並んで趣味なのが旧車。僕、便利なものより、ちょっと手間がかかるもののほうが好きなんですよね。以前乗っていた車は、高速道路でオーバーヒートしてエンジンが壊れてしまって。現在も載せ替えるエンジンを探している途中なので、今は、別の旧車に乗っています。昔の車は電子制御が少ないので、ちょっとした調整で状態が変わるんです。面白いのが、ネジを少し動かすだけでエンジンの音が変わること。締めればいいというわけでもなくて、逆に少し緩めたほうがよくなることもある。そういう違いを音で感じ取って、「今ちょうどいいな」というところを探していくんです。

実は、小学校の同級生のお父さんが元トヨタの整備士さんで、最近になってそのことを知って。今はその方のところに車を持っていって、いろいろ教えてもらっています。音を聞きながら、「ここをこうすると、エンジンの音と振動が変わったの分かる?」と教えてもらううちに、少しずつ自分でも車の状態が分かるようになってきました。
そういう感覚って、デザインにも通じると思うんです。全部をきっちり締めればいいわけではなくて、締めるところと緩めるところがある。そのバランスを自分で探りながら、「あ、今いいな」と思えるところに持っていく。そういう、自分の感覚を使って調整していくことが好きなんですよね。
もっと上手くなるために、手を動かし続ける

僕の習慣って、本当にシンプルなんです。
朝早く来て、人一倍練習して、デザインを考える。それだけです。でも、振り返ってみると、結局ずっとやっているのは「もっと上手くなりたい」ということなんだと思います。
素敵なデザインを作る美容師さんは沢山います。
その中から自分を選んで永く通っていただいているお客さまに誇れる仕事の向き合い方をしたいです。
他人ではなく、あくまでも自分との対峙。
そのためには、手を動かすしかない。20年美容師をやってきても、まだ自分の中では100点じゃないですし、今でも「もっとこうできたんじゃないか」と考えます。だから営業後も練習しますし、撮影やセミナーの前も、自分が納得できるところまでやります。

セミナーで教える時も、ただ可愛いスタイルを見せるだけではなくて、受講した人が実際に自分でできるようになるにはどうしたらいいかを考えて、かなり準備します。学びたいと思って来てくれる人がいるなら、こっちも本気で向き合いたいんですよね。技術を身につけて、「美容師って楽しいな」「もっと上手くなりたいな」と思ってもらえたら、それが一番うれしい。
SNSなど、今の時代に必要なものももちろんあると思います。でも、地道に技術を磨くことは、これからもなくならないと思う。自分が一人になったときに、ちゃんと技術でお客さまを喜ばせられる美容師でいたい。
だから僕は、これからも朝来て、手を動かして、考える。それを繰り返していくんだと思います。
プロフィール

DAISUKE
MAGNOLiA青山本店 代表
神奈川県出身。山野美容専門学校卒業。都内店舗を経て、2008年にMAGNOLiAのオープニングスタッフとして参加。パーマを軸に、ナチュラルからエッジの効いたデザインまで幅広いヘアデザインを提案。サロンワークのほか、海外セミナーや業界誌、コンテストなど多方面で活動し、技術とデザインを追求している。YAMANOグループ内の教育委員会に参加、若手育成にも力を入れている。
(文/池谷美歩 撮影/菊池麻美)