いい本を読んで、逞しい想像力を育てる -boy 茂木正行さんの習慣 後編-

カット中に、作家の表現が頭の中に浮かんでくる

 

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美容師として、もっと地道に勉強したいと思います。cutで手を動かすだけだったらそれは、勉強じゃない。お客さまがたくさんきていたら、偉いってわけじゃない。一時的に流行ったとしても、中身がなかったらそんなのすぐ終わっちゃいますから。

 

僕ら美容師は五感でカットしているでしょ。目と鼻と口と皮膚と耳をつかって、全身の感覚を研ぎ澄まして、どうしたら素敵になるのか、問いかけている。いろんなものから情報を得たり、五感を刺激したりしておくと、表現が広がるんですよ。じゃあ、そのために何から始めるかといったら、メディテーションもそうだけど、まずは本を読むことを勧めたい。魅力的な人かどうかっていうのは、ようは、いい本を読んでいるかどうからしい。

 

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たとえば、平松洋子さんの本とかいいと思います。エッセイとかレストランの紹介とか書いている人なんだけど、この人の本は何でも面白いです。村上春樹さんもいい。なかでも『海辺のカフカ』は読みやすいし、ファンタジーの要素もあるし、誰でも楽しめるんじゃないかな。あとは、宮藤官九郎さんの本もいいと思います。

 

昔は、三島由紀夫、谷崎潤一郎、泉鏡花を勧めていたんだけど、それだとカタいと思われちゃうかな。三島由紀夫や、谷崎潤一郎が、どんな風に女の人を表現するのかを注意深く読みとる。すると、僕の場合は、カットしているときに、勝手に三島が出てきたり、谷崎が出てきたりするんです。

 

いい本を読むことで、想像力を逞しく育てることができます。だから、みんなにもいい本を読んでほしいです。MDSと一緒に。

 

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プロフィール
Boy camera/CREATIVE DIRECTOR
茂木 正行 (もぎ まさゆき)

ヴィダル・サスーン・アートディレクターとしてロンドンを拠点に活躍し、帰国後にboyを設立。ヘアメイクとして、ヘアショー並びに画家、舞踏家、写真家、音楽家、詩人らと創作活動を展開。「ハズシ(ディスコネクション)」の技法を発表。タイ・バンコクに2店舗を作り、まったく新しい美容のやり方で、スタッフを活躍させている。

 

(取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

 

 

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