フォロワー40万人を1年強で獲得。国内外でカット講師としても活躍するオーナープレイヤー・呉等至が挑んだSNSと、離職率に悩んで導き出した正解とは
渋谷『DECO』、表参道『Kurt』『Rohe』、埼玉・草加『See』の4店舗を経営する呉等至(くれひとし)さんは、国内外でカット講師としても活躍するベテラン美容師。もともと有名技術サロン出身で、20代はイギリスで美容師として働いていた期間もあったそうです。そんな呉さんが、昨年1月からInstagramとTikTokに本格的に参加。美容師向けにカット技術を教える動画投稿で、わずか1年4ヵ月で総フォロワー数42万人に爆増させ、現在は世界各国の美容師からも注目されています。なぜこのタイミングでSNSに注力したのか、呉さんのこれまでのキャリアを伺いながら、挑戦の裏側を探りました。
Instagram開始時は4000人。翌年31.6万人に
――昨年1月からSNSを本格的にスタートしたとのことですが、きっかけは何だったのでしょう。
スタッフにはSNSをするように言っているのに、自分ではやっていなかったので、それはトップのあり方としてどうなんだろう?と思ったわけです。今の時代は代表も影響力がないと難しいのかな?と思わされることもあり、1年間は一生懸命やってみようと。インスタはアカウントだけあったものの、一昨年まで放置状態でしたから、最初はフォロワー数4000人からのスタートでした。
毎日カット動画を投稿して、1年で6万人までいったんです。でも、そこからなかなか伸びなくて。日本語で解説を入れていたので、調べると8割のフォロワーが日本人だったんですね。それで韓国人美容師の手法を真似して、声入れを止めてハサミ音だけにしたら世界各国の方がフォローしてくださるようになって。今年に入って22万人になり、今は31.6万人。中東、インド、欧米という順番で増えていきました。TikTokも始めましたが、今10万人を超えています。
――大成功じゃないですか。カット動画は非常にわかりやすいですし、世界中の美容師から注目される理由がわかります。カット講師の活動は、いつ頃からされているんですか?
13年前に出店して、そこからスタッフに技術を教えていく中で、教えるのも話すのも好きだなと思ったんですね。そこから外部でカット講師をやらせていただいたり、韓国に教えに行ったり。中国は、毎月行ってましたね。SNSが普及してない頃は、うちの店に海外から学びに来る美容師もいました。教えていたのは、カットとパーマです。
――SNSでも、最初はパーマの投稿が中心だったそうですね。
はい。でも、パーマは1ヵ月でネタ切れになってしまって(笑)。店で毎日4〜5人のカットモデルを付き添いで見ていたので、これを元に投稿していけば続くかもしれないと思い、カット動画の投稿を始めました。その反響が良かったので、今も続けています。