お客さまと一緒に作り上げた! いまどきの表参道独立ものがたり-Lalei-

 

表参道の人気店で店長を務めた松岡直人(まつおかなおと)さん。2017年7月に独立を果たし、「Lalei」を表参道に立ち上げました。前のサロンを辞めるつもりはなく、「やりたいことはやらせてもらっていた」と語る松岡さんが、なぜ独立したのか、そして、今後どんな展開を考えているのか聞いてきました。

 


 

自分でお金を出さければ痛みを感じられない

 

僕は毎年年初に目標を立てるのですが、2017年の目標のなかに、「独立」はなかったんです。いつか独立したいという気持ちは薄っすらとありました。ですが、前職の環境に満足していたし、不満はなかったんですよ。自分のサロンを持ちたければ、FCのようなカタチでサポートしてもらうこともできたと思います。実際、僕は会社の新店の候補地を、表参道エリアで探していたんです。そのときはまだ、会社から離れて自分でサロンを出すのか、会社の支援を受けて出すのか決まっていませんでした。

 

サロン激戦区なので、なかなか物件が出てこないんですが、ある日道端で知り合いの美容師さんにばったり遭遇しまして。その人は拡張移転をする予定で、「物件が空くけどどう?」って言ってくれました。紹介された物件を見てみると、広さも手ごろだし、居抜きで使えそうだったので、「ここなら自分でもできるかも」って思ったんです。

 

 

前職のオーナーに相談すると、会社で支援してもいいと言ってくれました。でも考えた末、会社に頼らず全部自分でやると決めたんです。なぜなら、やっぱり自分でお金を出さないと、経営者の痛みを感じられないと考えたから。新しい取り組みをするにしても、会社のお金でやるのか、自分のお金でやるのかで全然得るものが違うと思います。僕の恩人に「大変は大きく変わると書く」という言葉を教えてくれた人がいます。大変な思いをして痛みを感じるから人は成長できる。だから自分の力でやってみたかったんです。

 

ちなみにオーナーとは前々職のサロンでも一緒に働いていました。そのサロンで要職を務めていながら、僕と同じように葛藤の末、独立したオーナー。そして、前々職のサロンを家族の看病のために辞めた後、働く場が決まっていなかった僕を店長として迎え入れてくれた恩人です。

 

だから前職サロンを独立するのは恩人を裏切るのと同じ。それでもオーナーは、「俺が独立するときも同じ気持ちだった」と、僕の気持ちを理解し、受けとめてくれました。おかげさまで円満退社できたので、僕が辞めたことを知らずに連絡してきたお客さまを、受付の人がこちらに誘導してくれているんですよ。本当に感謝しています。

 

独立することを話すと、お客さまが力を貸してくれた

 

 

サロンがオープンしたのは2017年の7月21日ですが、20日くらいまで前職のサロンで働いていたので、ホントにバタバタでした。それでも無事にオープンできたのはお客さまのおかげです。

 

会社を経営しているお客さまからは、「職人肌の人はこだわりが強すぎて内装にお金をかけすぎる。最初はお金をかけずにはじめて、儲かったら好きなようにしたらいい」というアドバイスをもらいました。それに従い、居抜きなので使えるものはそのまま使い、自分でペンキを塗ったりして節約した結果、内装費は数十万円程度で済みました。サロンのなかには、お客さまからいただいた雑貨もたくさんあります。ロゴデザインやホームページ作成もお客さまに手伝ってもらっています。

 

サロン名の「La lei」はハワイ語。「La」は太陽や幸せを意味する言葉。「Lei」は首にかける花環や愛という意味を持っています。美容を通じて、幸せの環を紡いでいきたいという想いを込めてつけた名前です。幸せの環を紡ぐ場を、お客さまと一緒につくることができたことをうれしく思います。

 

>介護美容や店舗展開など構想は膨らむばかり

 

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