採用担当が語る“本気の採用基準” stén /Tiely編 鍵は、美容への情熱と、自分らしさの表現

技術は磨けるが、美容に懸ける想いは本人次第

 

 

─採用された方に共通している点はありますか?

 

・センスがある人

 

衣川:少し曖昧な表現ですけど、僕が思う共通点は、センスがあることです。僕は「センスがある」というのは「自分が好きなもの・好きなジャンルが確立されている」ことだと思っていて。たとえば、まだスタイルを作る経験が少ないアシスタントだとしても、好きなファッションや女性像が定まってさえいれば、スタイリストになってからそれを作ればいいだけですよね。そういう意味では、stenのスタッフは自分の好みがはっきりしている人が多いと思います。

 

・美容に対する情熱を持っていること

 

金内:美容に対する情熱や、モチベーションの高さです。以前、衣川が「技術はいくらでも育てることができるけど、美容に対する思いや情熱を育てるのはすごく難しい」と話していて、確かにそうだなと思ったんですよ。そう考えると、stenやTielyにはもともと美容が好きで、情熱を持っているスタッフが集まっていますね。

 

─早期退職した人に共通点はありますか?

 

・壁にぶつかった時の気持ちの切り替え方

 

衣川:うちはスタートしてまだ3年なので、早期退職者はほとんどいません。前社での経験も含めてお話しすると、やっぱり、壁にぶつかったときに一気にネガティブ思考になってしまう人は退職が早いイメージがありますね。「もうだめだ」と思うのが早いというか。もちろん最終的には自分の力で乗り越えないといけないことはたくさんあるものの、壁を乗り越えるために周りの人や先輩を上手く使うくらいの方が、美容師としては長く続けられるんじゃないかな?と思います。

 

・「悩む」から「辞める」決断までのステップが少なすぎる

 

金内:働く中で悩むことは誰しもあります。ただ、そこから「辞める」という決断までのステップが少ない人は、早期離職に繋がってしまう気がしますね。相談してくれたら解決できることもあるのに、そのフェーズを飛ばして辞めてしまう。自分の悩みは自分が思っているより甘いのか、それとも本当に環境に問題があって解決するべきなのかは、誰かに話してみないとわからないこともあります。あまり思い切りよく考えすぎないで欲しいなと思います。

それと、悩んだときに同期に相談するのはオススメしません。同い年くらいの人ってあんまり深く考えずに「いいじゃん、辞めちゃいなよ!」とか言ったりするので…(笑)。相談するなら、先輩や尊敬できる人にするべきだと思います。

 

-採用残り枠1名に対して最終候補者が2名。最終的な採用の決め手は?

 

・最後の一人を選ぶなら、その人の良し悪しではなく僕の責任

 

衣川:直感です(笑)。というのも、最終選考まで来ていて、本当にどっちも採りたいけどどちらかしか採用できない…という状況なら、どちらを採るかは、その人自身ではなく僕の責任なんですよ。僕がどっちを信じられるか、そしてどっちを育てたいと思うか。その人自身のビジュアルや技術はあまり関係なく、人間的なフィーリングをもとに決めます。もちろん、お店のバランスを見て「このジャンル今いないな」とか「ちょっと引っ張れる性格の子がいるとありがたいな」と総合的に考えることもありますが、それも含めて、僕が一緒に働きたい、育てたいと思った人を選びますね。

 

・一緒に働く姿が具体的に思い描ける人

 

金内:決め手は、一緒に働く姿が想像できるかどうかです。もっと言うと、自分と一緒にカラーを塗っている姿や、アシスタントとしてシャンプーしている姿、スタッフと話しているところなど、より具体的な姿を想像できる方を採用したいなと思いますね。具体的な想像ができる人ほど、うちのサロンと相性がいいと言うことにつながると思いますし、働き始めてからのギャップも少なく、溶け込んでくれるんじゃないかなと。

 

─最後に、新卒・転職者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

 

衣川: 僕は「美容師って本当にいい仕事だな」と思って働いています。だから、皆さんにもこの仕事を楽しんで欲しいという思いがありますし、そのために必要なのは、心の強さなのかな?と感じますね。

美容師はちょっとスポーツ選手に近いところがあって、体力も必要だし、自分の技術を磨いて、メンタルをコントロールして、結果を出さなければいけません。メンタルのコントロールという点でいうと、最近は些細なことでモチベーションが下がってしまったり、心が折れてしまう人も多いですよね。でも僕は、そこまで落ち込む必要はないんじゃないかなと思っています。

本来、人間ってそんなに大差はないはずで、差が生まれるのは、最終的にどれだけ自分を信じて頑張れるかという心の強さと努力の量。だから、皆さんにも落ち込みすぎずに「自分ならできる」と信じて頑張って欲しいです。大丈夫です、あなたならできますよ。

 

金内:美容師という仕事は、良くも悪くも環境によって状況がコロッと変わる側面があります。専門時代、成績もよく優秀だった友人は、1社目のサロンがあまり良くなくて、美容師自体を辞めてしまいました。逆に、お店を変えたことで一気に売り上げが伸びる人もいますよね。なので、今本当に思い悩んでいることがある人にとっては、環境を変えることがベストな選択肢になる可能性も大いにあると思います。

一方で、万が一憧れていたサロンに落ちてしまったとしても、美容室はそこだけじゃない。この世にはあなたが思っている以上にたくさんのサロンがあります。自分にピッタリ合うサロンは絶対にあるはずなので、諦めずに、いい意味で自分の未来に執着してやっていってほしいですね。そうすれば、きっとこの先の美容人生がより輝くものになるんじゃないかなと思います。

 

プロフィール

sten /代表

衣川光

stén(ステン)代表。京都府出身。関西美容専門学校卒業。質の高いハイトーンカラーとデザインカットで支持を集める。女性誌や雑誌、webなどさまざまなメディアに取り上げられている。Instagramのフォロワー数は8.9万人超え。ALBUMのCreative Directorとしてスタイリスト育成にも注力したのち、2023年8月に原宿に「stén」を立ち上げる。

Instagram: @hikaru.kinugawa

 

プロフィール

Tiely /代表

金内柊真

東京総合美容専門学校卒業。2017年『ALBUM』に新卒第1期生として入社。アシスタントながら2018年8月に『才能が無ければその分努力すればいい』(KADOKAWA)を上梓。スタイリストデビュー1カ月後にALBUM銀座店の副店長就任するなど、話題に事欠かない次世代美容師。フェミニン感のあるスタイルが得意。前社でのエグゼクティブスタイリストなどを経て、2023年8月に原宿に「stén」を、2025年9月に2店舗目をなる「Tiely(ティエリー)」を立ち上げた。

Instagram:@kaneuchi_toma

 

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