28歳、表参道への挑戦。ade omotesandoで第二の美容師人生を始めた、鷺谷玲奈さん ─天職WOMAN─

 

表参道の喧騒から少し離れた路地にある、ade omotesando(アデ オモテサンドウ)。ヘルシーな海外ヘアで、幅広い世代の女性から支持される鷺谷玲奈(さぎのやれな)さんは、昨年1月にadeに入社したニューフェイスです。

東京出身の鷺谷さんは、もともと都心への強い憧れはなかったそうで、一度は地元のサロンに就職しました。そこから8年勤めたサロンを離れ、28歳で表参道に。新たな環境に飛び込んだ理由や、実際に感じた中心地と郊外の違い。美容師なら一度は迷った経験がある人も多い『中心地への挑戦』のリアルを紐解きます。

 


 

美容師になるつもりはなかった学生時代

 

 

専門学校の入学時点では、美容師ではなくエステティシャンやネイリストになろうと考えていました。不器用な私にはカットもパーマを巻くこともあまりに難しく、美容師としてやっていける気がしなかったんですよね。

ただ、本格的に進路を考えるタイミングで「せっかく国家資格を取れる学校に通っているのに、それを使わないのはもったいないかも」という気持ちになって。一度美容師に挑戦して、辛かったら別の道を考えようかな、とあまり強い覚悟もないままこの道を選びました。

 

新卒で入社したのは、国立市にあるサロンです。ずっと担当してくれていた美容師さんの作るスタイルが好きで、面接を受けて入社しました。オープンして1年ほどのお店だったので、私が入った時点でスタッフは6名。アシスタントの先輩が2人と、スタイリストが4人いて、そこに私だけがポンと入った形です。

同期もいない中、一人で新しいお店に飛び込むことにすごくドキドキしましたが、今振り返ると、その環境だったからこそ私は美容師を続けてこれたと思いますね。

 

 

もともと「自分に美容師は向いていないのでは?」という思いもあったし、正直、アシスタント時代は辞めたくなったこともあります。それでも逃げなかったのは、母からの「3年経ったら何をしてもいいから、足を突っ込んだなら3年は頑張りなさい」という叱咤と、先輩方のサポートのおかげ。3年経った頃には、「美容師を辞めたい」なんて思いはすっかり消えていたんですよ。

付きっきりで一緒に練習してもらって、私が受かったら周りが自分以上に喜んでくれる。そんなあたたかい環境で過ごしたことで、過程も楽しみながら頑張れるようになったのだと思います。

 

そして、先輩方は優しい反面、技術チェックの場面ではすごく厳しかったことも、不器用な私にとってはありがたかったです。その厳しさがあったからこそ、デビュー直後から自信を持ってサロンワークに臨めたんですよ。スタイリストデビューまでは丸4年かかりましたが、私にとって必要な時間でしたし、先輩方には感謝しかありません。

 

美容師8年目、今が最後のチャンスだと思った。

 

 

当時から、私のブランディングは今と同じく海外ヘア。エリアに競合が少なかったこともあってか、デビュー後はお客さまに恵まれ、集客で困った経験はほとんどありません。退社前は店長も任せてもらっていたし、スタッフもお客さまも大好きで、何不自由なく過ごしていました。そんな恵まれた環境を出たのは、「挑戦するなら、今が最後のチャンスかもしれない」という思いからです。

 

私は、東京出身だからこそ、働くエリアへのこだわりがあまりないタイプでした。学生時代、先生に都心のサロンを勧められても「表参道ってそんなにすごいところ?」「渋谷で働く美容師ってそんなにかっこいいの?」と思っていたし、地元から通える範囲でしかお店を探していなかったんですよ。

それでも、年齢を重ねるうちに中心地で働く友達がどんどん有名になる姿が目に入ったり、友達から「どこの美容室で働いているの?」と聞かれて「国立だよ」と答えたときに伝わらなかったりと、少しずつ、もどかしさみたいなものが溜まっていて。

 

 

いつからか、自分も挑戦してみたいな、という思いが芽生えたんです。その思いを行動に移すなら今が最後のチャンスかもしれないと、このタイミングで表参道というエリアに飛び込みました。

 

私が転職活動で大切にしていたのは「どのサロンで働くか」よりも「誰と働くか」。なので、お店よりも人を調べることに重きを置いていました。SNSを通して、表参道で働く美容師の投稿やリールを見る中で一番ビビッときたのが、竜生さん(ade 山田竜生さん)のスタイル。ヘアの質感も、スタイル全体の雰囲気もすごくかっこよくて、一気に引き込まれたんですよね。

昨年の1月にadeに入社したのですが、前社との違いを一番実感したのは、スタイルの見せ方、そして作り込み方です。ただ写真を一枚パッと撮って Instagramに載せるのではなく、どう見せたいか、どう伝えたいかにこだわって、発信のクオリティを上げていく。そのこだわりがある人こそが、表参道エリアで美容師として成功できるのだと感じました。

 

>「私ってこんなものか」と挫けそうになった

 

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