びよう道 vol.28 Belle 飯田尚士さん 〜負けを受け入れた瞬間が本当のスタート。余計なプライドは成長の足かせになる〜

技術では負けていない…なのにどうして?

 

 

僕が一番苦しかったのは、後輩に数字を抜かれたときですね。当時はショートを打ち出して、どんどんお客さんも増やしていたんですが、あるときピタッと売上が伸びなくなりました。Belleの共同創業者である堀之内も同じサロンの同僚で、僕より1年後輩だったんですが、足踏みしている間に追い越されてしまったんですよ。正直な話、自分が技術面で劣っているとは思えなかったので、余計に悔しかったんですね。

 

 

でもあるとき、素直に抜かれたことを認めて、堀之内のサロンワークを観察するようにしたんです。そうして見えてきたのは、アシスタントとの関係性の違いでした。

 

堀之内のアシスタントは、「堀之内さんのお客さまがまたきてくださるように頑張ろう」というモチベーションで働いていたんです。堀之内はアシスタント想いだし、周りを巻き込む力がありました。一方の僕は、あんまりそういうことを考えたこともなく、周りの力に頼らなくても一人でできると思っていたんですよね。

 

 

昔の僕のやり方でも一定のところまでは行けますが、一人でできることには限界があります。自分と同じ気持ちで働いてくれるアシスタントがいれば、もっと上を目指せるかも知れない。そこから、アシスタントとのコミュニケーションを考えるようになりましたし、チームでお客さまをもてなすというやり方を真似しました。

 

堀之内は後輩でしたけれど、先輩とか後輩とか関係なく学べることは学んだほうが絶対にいいんですよね。そこにプライドを持つべきじゃないし、自分は天才ではない。だからいいものはどんどん取り入れていこうと考えるようになりました。

 

セルフブランディングは「好きなこと」「得意なこと」の一点張りでいい

 

 

ショートカットが得意というブランディングをしていたのは、単純にショートを切るのが好きだったからです。お客さまもショートの人ばかりでした。これはスタッフを育てている今も強く感じることですが、カットもカラーもパーマもオールマイティに全てをやればいいというものじゃない。なんとなく全部頑張るというより、好きなことにフォーカスするべきだと思います。そのほうが圧倒的に伸びるから。お客さまも増えて、結果、応用も利かせられるようになります。

 

 

特に今はSNSで自分の得意なことを発信できる時代だし、お客さまもショートならショートのピンポイントの情報を求めています。前髪のデザインが好きなら、前髪にフューチャーしてもいいと思うんですよね。前髪の情報を求めているお客さまはたくさんいるだろうし、その人たちに対して有益な情報を発信することができたら、選んでもらえますよ。

 

美容師ってボーッとしていると毎日が同じことの繰り返しになってしまいます。だから、何か好きなことをみつけることはとても大事。僕らの時代は長時間働くのが当たり前でしたけれど、好きなものを突き詰める時間は全然つらくありませんでした。

 

 

今はもう1日に何時間も練習する必要はないと思っています。1日1時間でもいいから自分の好きなことに集中する時間をつくるとその後の成長が全然変わってくるんじゃないかな。好きなものを打ち出して、1年でドンって伸びる子がBelleにもいますから。

 

自分の好きな技術を求めてお客さまがくるから仕事もしやすいですよね。そこで自信がついて、また次のステップにいけるという、いい感じのスパイラルができるんですよ。

 

>4世代の家族を担当して、ようやく一人前の美容師になったと感じた

 

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