Cura木藤 由二さんのびよう道 〜 技術習得のコツは「芯」をつかむこと。ムダを徹底的に排除し、仕事も遊びも妥協せずに楽しむ。〜

技術は本番で磨かれるから、技術チェックは合格ラインギリギリでいい

 

 

また僕は20歳くらいの頃、遊びたくて仕方がない年頃だったので、短時間で集中して技術を身につけるためにはどうしたらいいのかを徹底的に考えていました。技術チェックの合格ラインが6割だったら、10割は目指さない。ギリギリでもいいからチェックに通ることを最優先する。というのも技術は本番で磨かれていくものだとわかっていたからです。

 

それにプラスして、無駄な練習はしない。具体的には、練習に取り組む前に、その技術の重要なポイントをしっかりおさえて、腹落ちさせてからやっていました。なんとなく練習するのは時間がもったいないし、重要なポイントをおさえていないと、自分ができているのか、できていないのか判断できないと思っていたからです。だから、ポイントが腹落ちするまで先輩にしつこく質問したりしていました。その上、早く帰る。でもチェックは受かる。嫌な後輩だったかもしれません(笑)。

 

 

後輩に技術を教える立場になってからも「ポイントを押さえる」ことはとても大事にしていました。闇雲に練習させてもあまり意味がなくて、ポイントを押さえて、自分の頭で考えながらやることに意味がある。当然、技術の習得も早いですよね。だから、今も自分を含め教える立場のスタッフは「本当にポイントを理解してくれているかな? 伝わっているかな?」と意識しながら後輩に教えるようにしています。

 

 

「これが一人の美容師としてのスタートだな」と感じた瞬間

 

 

今も自分が一人前になった自覚はないんですが、「これが一人の美容師としてのスタートだな」と感じた出来事はありました。あれは確か23歳くらいのころ。美容雑誌とMINXのコラボのオーディションに参加したときのことです。8ページの企画で、2ページは高橋マサトモ、残りの6ページはオーディションに勝ち残った6スタイルで、一人2スタイルまで選ばれるというものでした。

 

応募は50スタイルくらいあって、選ばれた6スタイルの内訳は、僕が2スタイル、岡村が2スタイル、あと現在はヘアメイクの世界で活躍している元MINX西村が2スタイル。その後、僕はJHAのNEWCOMER OF THE YEAR(新人賞)にも選ばれました。以降、指名での仕事が入るようになり、それが木藤 由二という名前を知ってもらうきっかけになったと思います。

 

 

自分が美容師として「認められた」と感じられるようになったのは最近のことです。僕は業界歴も長いので、20年くらいずっと担当させていただいているお客さまもいますし、逆に20年ぶりに髪を切りにきたり、知人を紹介してくださったりするケースもあります。

 

仕事の都合やご結婚など色々な理由で離れていくお客さまがいますが、再会するまで別の美容室で髪を切っていたのにも関わらず、僕のことを覚えて下さっていることがとてもうれしいです。しかも僕は、MINXを辞めて独立していますから、探す手間もあったと思います。

 

>美容師には人の心に感動を刻み込むことができる仕事

 

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