就活で全滅した美容師が話す。不採用も不安も劣等感も、ぜんぶ成長のきっかけだった—MAGNOLiA SHINさんの働く理由

 

次世代のサロンリーダーを期待される若手スタイリストに聞く「このサロンで働く理由」。今回は東京・青山のMAGNOLiAに新卒一期生で入社し、現在、青山店の店長を務めるSHINさんの「働く理由」をうかがいます。できたてサロンでの大忙しのアシスタント生活から、スタイリストとして売上を伸ばし店長になるまで。決してまっすぐとは言えなかった道のりを、SHINさんはどう乗り切ってきたのでしょう。

 


 

就活は最終面接で軒並み不合格

 

就職活動では都内の有名大型店ばかりをねらっていました。有名なところに入るのが、美容師として大成する一番の近道だと思っていたんです。でもどこのサロンも最終面接で落ちてしまって、就職活動の時期が終了。MAGNOLiAの募集を見つけたのは、もう美容学校の教師になろうかと迷っていたときでした。

 

そのころのMAGNOLiAはオープンしたばかり。もちろんオーナーのMARBOHのことは知っていましたし、気になっていたサロンではありました。

 

「今まで有名店ばかりねらっていたけれど、一緒に大きくしていけるサロンなのかも」

 

募集を眺めるうちに環境は自分が変えていくものだと発想が切り替わって、これが美容師になる最後のチャンスだと思って応募しました。パーマという揺るぎない武器を持っているというのも、僕にとっては大きな魅力でした。

 

新卒で採用されたのは僕を入れて2人。もう1人いたアシスタントの先輩はデビュー直前という状況だったので、入社1年目は壮絶な日々でした。とにかく忙しいし、できること以上のことを任される。同期と「どうする? どうする?」と言いながらやっていましたね。

 

乗り切れたのは、「先がなかった自分を救ってくれたサロン」という気持ちがあったから。

 

入社が決まった時点で、落ちたサロンを見返せるようになろうという思いが芽生えてきていました。MARBOHからも「落ち続けていた時点で今のお前はトップレベルではないけれど、それは伸びしろがあるということ。超える気で頑張れ」というような言葉をもらっていて、それが励みにもなっていました。

 

何かが不安! スタイリスト昇格を自分から見送り

 

 

自分で言うのもなんですが割と器用なほうで、美容学校生のころも優等生の部類でした。でもプロの世界はやっぱり厳しくて、スタイリストデビューは予定通りにいかず3年9ヵ月目。

 

できることはできるんだけれど、どこか大丈夫と言いきれない不安があって。デビュー試験後に自ら3回もデビューを見送ったんです。

 

状況打開のきっかけになったのは、先輩から「スタイリストになったときに、アシスタントに何を語れるんだ?」と問われたことです。スタイリストになると先輩からいろいろ言ってもらえなくなる代わりに、今度は自分がアシスタントにさまざまなことを伝えていかないといけないですよね。たぶん当時の僕は、そこに一番自信がなかったんだと思います。

 

考えた結果、僕が取った策は自分の許容範囲を超えてみることでした。

 

モデルをとにかくたくさん入れて、スタッフにその姿を見てもらう。12月でサロンワークも繁忙期でしたが、1ヵ月で50人以上のモデルを呼びました。それをやりきったところでやっと自分の気持ちに納得がいき、改めてデビュー試験を受けてスタイリストになる覚悟が固まったんです。

 

ちなみにデビュー前の月にモデルを呼びきってしまったので、デビュー1ヵ月目の売上は散々(笑)。恥ずかしくて、言えないくらいでした。でもその次の月からはどうにか数字を出せるようになって、その後は売上を落とすことなく、伸ばしていけました。

 

>まだまだあった、デビュー後の挫折とSHINさんの乗り切り方

 

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