究極の独自化!? 世界初のハンモックヘアサロン誕生秘話 －Hammock Hair Salon COCONA －
美容師を一度辞めたことで、美容の可能性に気づく
ハンモックヘアサロンを出すまで、実はいろいろと寄り道をしてきました。もともとは都内の有名店で美容師生活をスタート。仕事も遊びも全力で楽しむ充実した日々でしたが、外の世界を見てみたいという想いから転職しました。
地域密着型サロン、エクステ専門店、外国人向けの美容室など、さまざまな環境で働きましたが、最初に勤めたサロンに勝る充実感を味わえませんでした。しかも、美容業界の価格競争が激しくなるのを感じて、「この先、どうなるんだろう？」と不安になったんです。そして僕は一度ハサミを置き、ネクタイを締めました。
転職し、薬剤メーカーに入って、日本全国のサロンに訪問する機会を得ました。個性豊かなオーナーさんや店長クラスの方とお話をするうちに、「サロンを経営してみたい」という気持ちが湧いてきたんです。
特に影響を受けたのは、周りに畑しかない、のどかな地域にあった手作り感いっぱいの木造サロン。美容と農業、そして屋外イベントを組み合わせて、立派に経営されていたんです。「こんなやり方があるんだ…」と美容室経営の可能性を感じました。
また、勤めていた薬剤メーカーには、GULGULという美容室を出している先輩がいました。その2店舗目を会社が出資し、美容師経験のある僕が店長を務めることに。平日は会社員、土日は美容師という生活を送ることに。そこでの働きぶりが認められて、3店舗目を出すタイミングでGULGULに移籍し、取締役に就任しました。
やりたいことを全部やろうと思ったら独立するしかない
GULGUL時代から店内にハンモックを置きたくて仕方がなく、「自腹でもいいので新店舗に置かせてください」と社長に相談したことも。そのときは安全面の理由でOKしてもらえませんでしたが、社長の判断は正しかったと思います。一方で、「自分がやりたいことを全部やろうと思ったら、自分でサロンを出すしかないんだなぁ…」と気づきました。
やがて、イチからサロンを創りたいという気持ちが、どんどん膨らみ独立に向けて動きだすことに…。会社を辞めるにもかかわらず、先輩経営者として惜しみなくアドバイスし、送り出してくれたGULGULの大河内社長には感謝してもしきれません。
円満退社を経て、いざ独立！ となったのですが、その後が大変でした。まず、融資を受けるために日本政策金融公庫に依頼したのですが、ハンモックヘアサロンの話をしても理解してもらえない。担当者の方に「で、君は何をしたいの？」という感じで聞き返されました。誰が相手でも伝わるように、自分のやりたいことを、わかりやすく言語化することの難しさを痛感しましたね。
物件探しも苦戦しました。東京の東側から八王子のあたりまで、かなりのJR私鉄の駅を回りました。高円寺に決めたのは、駅から近くて屋上まで使える物件が奇跡的に見つかったから。大家さんが外国人なので、あいだに通訳を入れる必要があったりして、交渉も大変でした。そのほか、安全に施術するために特注のハンモックをつくる必要があったし、それが本当に吊れるのか確かめないといけないため、ハンモック職人のみなさんにもかなりお世話になりました。
オープン前の3日間は完全に徹夜。友達にも手伝ってもらい、本当にバタバタでしたけれど、無事オープンできてホッとしましたね。激動の毎日は、実は今も続いていますけれど…（笑）。
とにかく、僕の挑戦はまだ始まったばかりです。これからも一生懸命、美容×ハンモックの可能性を追求していきたい。「リゾート地にあるホテルに究極の癒し系ヘアサロンとして出店したい」というのが、僕の最終目標です。
- プロフィール
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Hammock Hair Salon COCONA
角貝雄二（ツノガイ ユウジ）
1997年真野美容専門学校卒業。都内有名店に入社。数多くの撮影やヘアショーに参加し、腕を磨く。その後、エクステ専門店、縮毛矯正専門店、セットサロン、新大久保の外国人向けサロンなどを経験。独自の美容世界を確立しハンモックヘアカットを考案。2017年2月にHammock Hair Salon COCONA を立ち上げる。
Hammock Hair Salon COCONA
http://www.salon-cocona.com/
（取材・文／外山 武史 撮影／菊池 麻美）
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